コナンと荒鷲の道 ( ロバート・E・ハワード )

巻末の「魔女誕生」が出色の出来で楽しく読めました。


題名 作者 評点 コメント
セムの禿鷹 ロバート・E・ハワード、スプレイグ・ド・キャンプ 6.0 ストーリーが複雑でまとまりがない。
黒い怪獣 ロバート・E・ハワード 5.0 王女ヤスメラに請われ総司令官になるコナン。展開が単純で面白さにかける。
月下の影 ロバート・E・ハワード 6.0 王に拉致された女を助けたコナン。謎の島に潜む魔物と対峙する。あまり盛り上がらない。
荒鷲の道 ロバート・E・ハワード、スプレイグ・ド・キャンプ 7.0 いささか目まぐるしいが、視点を変えた複数のストーリー展開で読ませる。
魔女誕生 ロバート・E・ハワード 8.0 捉えられ十字架に吊るされたコナン。ダークサイドの描写が印象的で魅力に飛んでいる。

 中編5編収録。ハワードが生前に発表した作品は、「黒い怪獣」、「月下の影」、「魔女誕生」の3作品。残り2編は、キャンプが手を入れたものですが、序文で下記のように帰しています。

わたしは、一九五○年代の前半を、ハワードの未発表の作品のうち、東洋を舞台にとったもの四編の、登場人物の変更、時代錯誤の部分の削除、超自然要素の導入などの加筆によるコナン物語の移し替え作業に費やした。ハワードの主人公のほとんどは、いわばひとつ布地から裁断されたと同様の状態にあるので、この作業はさほど困難なものではなく、遺稿の四分の三ないし五分の四を、コナンの世界に改めた。本巻にもその二編が収録してある。すなわち、『セムの禿鷹』はもと『エジプトの禿鷹』と名付けられていて、時代は十一世紀のエジプト、狂気の教主ハキーム治世下の物語であり、『荒鷲の道』の草稿は、十六世紀のトルコ帝国が舞台となっていた。

とのこと。
しかし、ちょっとした校正ならともかく、舞台や時代背景まで書き換えるというのは、あまりにやり過ぎで、キャンプが批判されるのももっともと言わざるえません。

 ハワードの3作のうちでは、「魔女誕生」が出色の出来。この作品はハワードが生前発表したコナン物18作品のうち12作目に当たるものですが、やはり後半の作品は充実しているようです。


創元推理文庫 1971年12月17日 初版 339ページ 200円