マンハント 1959-10 No15 ( 久保書店 )

どうしようもない作品にはうんざりさせられましたが、ラストの作品で口直し。


題名 作者 評点 コメント
殺人ごっこ ジャック・リッチー 7.0 お互いを毒殺しようとする夫妻のいたちごっこ。発想が面白い。
小さな犯罪 エヴァン・ハンター 4.0 赤ん坊殺し事件。暗いうえに何のヒネリのない結末にうんざり。
夜がニヤニヤわらってた ブライス・ウォルトン 3.0 つまらないエロ話。
避暑地晩夏風景 ハロルド・キャンター 3.0 これまた、つまらん話。コメントする気にならん。
暴走 アル・ジェイムズ 7.0 子供を轢き殺し、暴走する車を追う保安官と若い牧師。ラストのオチが面白い。
明日殺して フレッチャー・フローラ 4.0 歯医者を巻き込んでの保険金詐欺なのだが、何のヒネリもない展開。ベテランがこんな作品を書いてはだめだ。
秘密結社 リチャード・デミング 4.0 私立探偵ムーン物。みかじめ料を追う話だが、これがつまらない。ベテランがこんな作品を書いてはだめだ。
射たれる! ブルーノ・フィッシャー 6.5 郊外で暮らす夫妻の家に忍び込んできた女。ストレートな話だが読ませる。ベテランはこの程度書かなきゃ。
男のなかの男 アーサー・キャプラン 4.0 尻軽女と結婚した男の哀れな末路。こんな話は読みたくないぞ。
女が姿を消したとき フロイド・マハナー 7.5 大金横領にまつわる殺人事件。少しゴタゴタしているが一気に読ませるうえ、最後にはちょっとした意外性もあって楽しめる。
表紙 吉田隆
カット 江淵晃夫・おおば比呂司
ページ 200ページ
定価 150円 地方153円

今号は低調な作品が多く、いささかうんざりさせられましたが、巻頭のジャック・リッチーと巻末中編「女が姿を消したとき」に救われました。フロイド・マハナー(Floyd Mahannah)という作家はまるで知りませんでしたが、何作か長編があるようで、「The Broken Angel / Backfire & Other Stories」という書籍が今でも手に入るようです。(「Backfire」というのは今回掲載された作品の原題)