マンハント 1959-2 No7 ( 久保書店 )

低調な作品揃いでうんざり。水増しの特大号。


題名 作者 評点 コメント
撲たれる妻 ロイ・キャロル 4.0 程度の低いSM物だ。
緑色のカーテンのかげで J・T・ファレル 2.0 何が書きたいのか全く理解できない。
抱かれにきた女 エヴァン・ハンター 5.0 今回のカート・キャノンはいささかだらしがない。
復讐は黒腸詰(ブラックプディング)の味 ディヴィッド・グディス 5.5 出所した男は昔の仲間に狙われるが..。何の展開もなく平板。
黒い深い穴 ノーマン・ストゥルバー 7.5 邪魔になる夫を殺した愛人と妻。偽装工作を図るが、殺人を目撃したという脅迫状が届く。ラストに一ひねりあって面白い。
異聞・切り裂きジャック リチャード・エリントン 8.0 「切り裂きジャック」をモティーフにうまく構成されたストーリーに感心。
ハワイアン・パーティー リチャード・S・プラザー 6.0 パーティで起こった殺人。適当に書きなぐった感じだが、シェル・スコットが出てくるとそれなりに読ませる。
悪女とのお別れ アル・ジェイムズ 6.5 夫を殺した女の計略が面白い。
親ごころ アイラ・レヴィン 5.0 娘がもとの夫を殺そうとしていると察した父親は制止にかかるが..。結末は予想通りで面白くない。
雨の降る日は縁起が悪い マイク・ブレット 6.0 叔母殺しをたくらぬ女の計画は、無残に崩れる。くすっと笑える結末。
男飼い C・B・ギルフォード 5.0 嫉妬深い妻にうんざりしていた夫は彼女を殺してしまう。その先にあるのは..。
罠をかけろ ケネス・フィアリング 6.0 悪徳警官への復讐を図る警官二人。展開がありきたり。
ギターと拳銃 ジェイムズ・M・ケイン 3.0 何を読んでも面白くないジェイムズ・M・ケイン。大嫌いな作家だが、載っている以上読まないといけない。
群狼おごるなかれ フランク・ケーン 6.5 ジョニー・リデル物。大した出来ではないが、やはりレギュラー探偵は強い。
汚がれた夜 マックス・ケーン 4.0 暴行された教師の復讐者だが、ありふれた展開で面白くない。
これが決定的瞬間さ! ヘンリイ・ケーン 4.0 ピート・チェンバース物。ストーリー展開に切れがなく平板でつまらない。
表紙 秋保正三
カット 江淵晃夫・大森忠行
ページ 204ページ
定価 150円 地方153円
  • 「マンハント」はこれで3冊目ですが、今回は全くの低調。特大号にありがちのページ数稼ぎに苦労しているのが丸見え。
  • 結局、カート・キャノン、リチャード・S・プラザー、フランク・ケーン、ヘンリイ・ケーンといったレギュラー探偵を持っている作家頼りという感じですね。その中で。ヘンリイ・ケーンは、昔数冊読んであまり好きになれなかった作家なのですが、やはりストーリーテリングがうまくない気がします。