怪奇小説傑作集1 -英米篇1 ( 平井呈一編 )

これが「怪奇小説」の入門書だったら、新しい読者は増えないでしょうね。


題名 作者 評点 コメント
幽霊屋敷 エドワード・ブルワー・リットン 2.0 幽霊屋敷内での描写には迫力があるが、後半は支離滅裂でいやになった。
エドマンド・オーム卿 ヘンリー・ジェイムズ 1.0 美貌の母娘に取り憑く男。改行なしにダラダラ続く文章についていけない。
ポインター氏の日録 M・R・ジェイムズ 3.0 古書についてきた布にまつわる話だが、古臭くつまらない。
猿の手 W・W・ジェイコブス 7.5 幻想と怪奇 2 <英米怪談集> で読了済。
パンの大神 アーサー・マッケン 1.0 とても読み通せるレベルではない。
いも虫 E・F・ベンスン 5.0 いも虫の気味悪さは印象に残るが、それだけだ。
秘書奇譚 A・ブラックウッド 6.5 書類を届けに屋敷に出向いた秘書は、主人の異常さに気がつく。なかなか不気味な話。
炎天 W・F・ハーヴィー 3.0 よくわかりません。
緑茶 J・シェルダン・レファニュ 4.0 幻想と怪奇 1 <英米怪談集> で読了済。

この巻で佳作と言えるのは、W・W・ジェイコブスの「猿の手」でしょうが、これはすでに既読。この作品を飛ばすと、あとは古臭く読み進めるのが苦痛な作品の連続。本当に嫌になりました。
創元の「怪奇小説傑作集」は、この分野の入門書のような位置づけにあると思っていたのですが、これではどうしようもありません。


東京創元社 1969年2月21日初版 1981年11月6日41版 394ページ 430円