新青年傑作選集5 ユーモア・幻想・冒険編 おお、痛快無比 ( 中島河太郎編 )

ああ、意気消沈!! 十蘭以外はつまらない話のオンパレード。


題名 作者 評点 コメント
ポカピカン 徳川夢声 2.0 [昭和13年1月]古臭いユーモア小説ほどつまらないものはない。
えりまき騒動 森下雨村 5.0 [昭和11年1月]襟巻きを巡るちょっとした話。
隼の勝利 久山秀子 3.0 [昭和2年5月]妙に複雑で、よくわからない展開にうんざり。
ああコンブラン サトウハチロー 7.0 [昭和13年12月]コンブランという犬の行動が楽しい。
リビアの月夜 稲垣足穂 3.0 [昭和7年4月]何が書きたいのだろうか。
空で唄う男の話 水谷準 5.0 [昭和2年3月]中途半端な終わり方がすべてを台無しにしてしまった。
私と私 三橋一夫 5.5 [昭和25年6月]自分の分身と暮らすという話は面白いが、オチが何もないな。
地味井平造 5.0 [昭和2年4月]ラストの一文をうまく活かせば、もっと面白い作品になったかもしれない。
人の顔 夢野久作 4.0 [昭和3年3月]爬虫館事件 新青年傑作選で読了済
猟奇商人 城昌幸 4.0 [昭和13年1月]つまらないエロ話。題名倒れである。
失恋第五番 山本周五郎 4.0 [昭和23年2月]特攻崩れをめぐる話だが、ピンとこないし面白くもない。
めくら蜘蛛 桜田十九郎 5.5 [昭和15年1月]小栗ほどの迫力のない秘境物。ラストの勇ましさは昭和15年を感じる。
地底獣国 久生十蘭 8.0 [昭和14年8-9月]地底トンネルのイメージが素晴らしい。
  • ユーモアというジャンルは時代に左右されるせいか、当時の風俗に迎合するような話は、現代では読むに耐えないことがよくわかります。徳川夢声などはその代表でしょう。
  • これが、角川文庫版「新青年傑作選集」の最終巻ですが、つまらない作品ばっかりで、読み通すのに苦労しました。

昭和五十二年十ニ月ニ十五日 初版発行