大東京四谷怪談 ( 高木彬光 )

それなりに考えられている筋書きなのに、どうも盛り上がらない。

高木彬光について

光文社文庫の高木彬光も軒並みKindle unlimitedの対象になっています。
高木は好きな作家なので嬉しいところですが、残念ながら未読の作品が少ないのです。
今さら「刺青殺人事件」を読み直しても面白くないでしょう。なにせ、カッパノベルズで読み、角川文庫で読み、初稿版を読み、「The Tatoo Murder Case」(英訳)まで読んでいるのだから、話の展開が頭に残ってしまっています。

墨野隴人シリーズ

そこで手にとったのが、墨野隴人物。このシリーズは「黄金の鍵」、「一、二、三 - 死」は読んでいますが、その後は未読です。この作品、確か立風書房での書き下ろしだったと思います。当時の装丁が目に浮かびます。

お話は

さて、肝心のストーリーですが、冒頭から胡散臭い人物が勢揃いして登場、怪談をモチーフにした展開なので、面白くなりそうなのだけど、どうも今ひとつ乗れません。謎の女「おいわさん」も凄みにかけます。
得意の刺青にまつわる逸話も今回はあまり趣味が良くないですね。

途中から読み進むのが辛くなってきました。

残念ながら、シリーズを続けて読む気になれない出来でありました。