EQMM 1956/7 No.1 創刊号

60年前の雑誌とは思えない、楽しい作品ばかりである。

題名 作者 評点 コメント
魔の森の家 カーター・ディクスン 9.0 三読目だろうが、これは名作です。伏線の張り方がすごいし、最後のHMのセリフも余韻を残す。クイーンの解説もよい。会話文が『』になっているのは訳者乱歩の指定らしい。どういう意図なのだろう。
パーティーの夜 スタンリイ・エリン 5.0 今ひとつ展開に乏しい。
死者を鞭うつ勿れ ジョン・コリア 7.0 ちょっとしたひねりが楽しい。
運転席 エラリイ・クイーン 5.5 単なるパズル。
三人目の男 スチュアート・パーマー & クレイグ・ライス 6.5 速い展開は楽しいが、意外性に乏しい。訳が古臭いのは致し方なし。
雇われ探偵 ダシール・ハメット 6.5 不思議な展開が新鮮だったのかもしれぬ
エメラルド マイケル・イネス 6.5 二つとも模造だったという論理は面白い。
喜歌劇殺人事件 ジェイムズ・ヤッフェ 6.5 本格ぽくていいのだが、謎は今ひとつだ。
ジャラッキ伯爵釣りに行く T・S・ストリブリング 7.0 この続きはどうなるか。
作品解説 エラリイ・クイーン
海外ニュース
表紙 勝呂忠 この表紙のレベルは62年前の雑誌とは思えない。何の惹句も入れないところもすごい。乱歩の訳筆まであるのだから、「巨匠、渾身の名訳」とでも言いたいところなのだけど。
カット 北園克衛 →帯がついていたらしい。「巨匠エラリイ・クイーンが編集する探偵小説の最高権威誌」とのこと。巨匠はそちらでしたね。
ページ 130ページ 巻末にE.S.ガードナーとハーバート・ブリーンの「日本語版への言葉」あり
定価 100円 地方103円