EQMM 1957/5 No.11

この号は極めて低調。ここまでで最悪のセレクションである。

題名 作者 評点 コメント
料理女の行方 アガサ・クリスティー 6.0 標準的な作品。
魔法の帽子 マージェリー・アリンガム 4.0 ゴタゴタしていてつまらない。
犯罪学講義 G・D・H・コール & M・I・コール 4.0 これも何が書きたいのかわからん。
贋金つくり レスリー・チャータリス 6.0 ちょっとしたコンゲームと、その裏を書くセイント。
女の罠 ベン・ベンスン 5.5 筋は見当がつく。
樽を空けろ ジェフリー・ハウスホールド 7.0 暗示的な結末が面白い。
獅子使いの男 ジャック・ロンドン 5.0 なんでこんな作品が載っているのだろう。
1999年 フレドリック・ブラウン 5.0 ブラウンにしては冗漫で、何のひねりもない。
魅せられた死 コーネル・ウールリッチ 7.0 読ませる設定だが、最後に何の意外性もないのが残念。
作品解説 エラリイ・クイーン
ぺいぱあ・ないふ 「暴力教室」などハンターの作品を取り上げている。
みすてり・がいど
第二講探偵小説とはなにか 「探偵小説の誕生」
望遠レンズ
表紙 勝呂忠 編集ノートは小泉太郎。編集部の楽屋落ちな話を書いている。
カット 勝呂忠
ページ 130ページ
定価 100円 地方103円

中間の広告で「ポケット・ミステリ200巻刊行」を大きく取り上げている。200号記念は「ハムレット復讐せよ」。
江戸川乱歩、大井広介、ハーバート・ブリーンが賛辞を寄せている。
注目すべきは大井広介のコメントで、「個々の功績では、戦前は俗悪な装丁の「義眼殺人事件」が出版されたくらいで、玄人間ではさして話題にさえならなかったガードナーを、日本でも読者をたくさんもつ作家にしたこと。紹介されかたが拙く、さっぱり面白くない印象を与えていたカーの真価を確認させたこと。この二つは明記されてしかるべきであろう。」としている。さすがである。