EQMM 1959/7 No.37 特大号
特大号は水増し号だ。つまらん作品で5割増し。
題名 | 作者 | 評点 | コメント |
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寒中水泳 | 結城昌治 | 5.0 | これが受賞作とは。この作家のその後が奇蹟だ。 |
奇蹟なんぞはいつでも起る | クレイトン・ロースン | 7.0 | これまでのロースンの諸作では一番落ちるが、最後のひねりは楽しい。 |
箱の中にあったのは | リチャード・マシスン | 6.5 | 謎ときが9月号回しなので、保留。->ちょっとシュールな結末でした。 |
失踪した妻 | ロイ・ヴィカーズ | 7.0 | 最後まで緊張感を保っている筆力には関心。 |
芸術家 | チャールズ・グリーン | 6.5 | ちょっと面白い趣向。 |
銀行やぶり | ジョン・スタインベック | 4.0 | どこが面白いんだ。 |
君は未だ汚れなき花嫁 | エイブラム・デイヴィッドスン | 4.0 | どこが面白いんだ。 |
宿願成就 | ジョン・コリア | 4.0 | 訳文も変で、何が書いてあるのかわからん。 |
花嫁の危機 | エラリイ・クイーン | 7.0 | 短い割に登場人物が多いのでごたついているが、悪い出来ではない。 |
酒場のスカンク | A・B・ガスリイ・ジュニア | 6.5 | スカンクを持ち込んでくる酔っぱらいが楽しい。 |
九死に一生 | スチュアート・パーマー&クレイグ・ライス | 8.0 | 早い展開で最後は法廷対決、敵役も出てきて読ませる作品。 |
逃げるばかりが能じゃない | ヘンリイ・スレッサー | 8.5 | 有名な作品。スッキリした展開が見事。にもかかわらず、この作品、目次から漏れているぞ。 |
月は六月その夜更けに | レイ・ブラッドベリ | 5.0 | 思わせぶりの美文調にうんざりだ。 |
金髪ころし | コーネル・ウールリッチ | 6.0 | 不思議な話だ。 |
黒いノート | 松本清張 | ||
隣の椅子(9) | 有馬頼義 | ||
深夜の散歩(11) | 福永武彦 | 「封をした結末の方へ」バリンジャーの袋とじ作品の紹介。 | |
反対訊問 | L・S・P | ||
ぺいぱあ・ないふ | W・B・スティーブンスンの「名作表」紹介3回目 | ||
望遠レンズ | 最終回 | ||
探偵小説不作法講座 | 都筑道夫 | 第一講「千里の道も一歩から」 | |
探偵小説風物誌 | 中内正利 | この号から最終ページに移動 | |
表紙 | クロード・岡本 | この号から表紙絵が勝呂忠から変更。当時12歳の天才少年だったらしい。 | |
カット | 北園克衛 | ||
ページ | 208ページ | この号から編集ノートが最終ページから、最初の見開きになった。もちろん都筑が書いている。 | |
定価 | 150円 地方155円 |
第一回コンテストの銓衡座談会あり。
佐藤春夫・大井広介・福永武彦・都筑道夫による選考会。
銓衡という表現を初めて知りました。
それはともかく、あまり良い評価がなく結城の作品も全面的に書き直させられたらしい。
最所フミによる英訳がエラリイ・クイーン氏に送られるとある。