EQMM 1960/1 No.43

一定レベル作品揃い。

題名 作者 評点 コメント
住宅難 エラリイ・クイーン 6.0 平凡な出来だが後味が良い。
セラフィーナのいたずら チャールズ・グリーン 7.5 前作もそうだが、楽しく読める作品。続けて読みたい作家だが、解説によれば在庫切れらしい。
真昼の決闘 ジョン・B・スター 6.5 なるほど、シリアスな記述にこのオチか。
ハリウッド・スタイルの殺人 スティーヴ・アレン 6.0 これを最初に使ったのは誰なのだろう。コロンボにもあったな。
ベッドタイム・ストーリイ J・M・スターン 5.5 よくある話。
スクイズ・プレイ マイケル・ギルバート 6.5 最後のシャレは、注釈なしにはわからないな。
紙きれ ジェイムズ・J・ケリー 5.5 おちが今ひとつ決まっていない。
フロリダ旅行 ヘンリー・スレッサー 6.5 関西弁の翻訳は初めて読んだ。さほど効果的ではないが、妙におかしい。
犯罪ア・ラ・カルト ジョン・ユージイン・ヘイスティ 7.5 でもおかしさなら、スレッサーよりこちらの作品のほうが断然上だ。落語のようなお話である。
明日には ジョージ・ハーモン・コックス 7.0 うまくまとめた職人芸。後味もよい。
その絵を探せ ロス・マクドナルド 6.0 中途半端な長さに平凡な謎。
隣の椅子(15) 有馬頼義
深夜の散歩(17) 福永武彦 「クロスローズ南方の百姓家の方へ」
紙上殺人現場(その一) 大井広介 新連載。これが始まって評論部門に一本筋が通った。
反対尋問 1959年回願(上)第三の新人グループの台頭が取り上げられている。注目されているのは佐野洋だ。第一グループは戦後すぐ出た山田風太郎など、第二グループは松本清張、仁木悦子や有馬頼義などを指していっているようだ。「一本の鉛」「天国は遠すぎる」「霧と影」「リスとアメリカ人」「夜の配役」がベストスリー選考に出てきている。
TVスクリーン 津川溶々
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 クロード・岡本
カット 勝呂忠
ページ 144ページ
定価 100円 地方103円