EQMM 1960/2 No.44 特大号

どの作品も平均以上の出来です。

題名 作者 評点 コメント
警部の娘 コーネル・ウールリッチ 7.0 ウールリッチは焦燥感に駆られる男を書かせるとうまい。ラストでホッとさせるのも職人芸。
兇悪犯 ヘレン・ニールスン 6.5 展開は平凡だが、後味が良い話。
子供ごころ ドロシー・ソールズベリ・デイヴィス 7.0 ラストは凄みがある。この作家を見直しました。
夢の影より クレイグ・ライス 7.5 検討はつくが、謎の設定が楽しい。
名探偵ダニエル・デフォー シオドア・マシスン 7.0 歴史上の実在人物を探偵にしたシリーズ物。いつも謎が弱いのだが、今回は犯人の動機がちょっと面白い。
駐車難 エラリイ・クイーン 6.0 いつものパズルより少し良いか。
運命の日 スタンリイ・エリン 6.0 ちょっとしたことが将来を決める。悲しいオチだ。
ベッツィーは生きている ロバート・ブロック 7.0 ラストには意表を突かれた。
飢えた眼つき マシュウ・ガント 5.0 貧乏くさいクライムストーリー。
戦士の星 マンリイ・ウェイド・ウェルマン 6.5 インディアン移住地での殺人という設定は面白いが、謎は平凡。
コーノトリと警官 トマス・ウォルシュ 6.0 悪い題材ではないのにごたついている。ベテランならもう少し上手く書いてくれ。
バイユーの老婦人 ジョルジュ・シムノン 7.5 トリックは途中でわかるが、面白く読める。
隣の椅子(16) 有馬頼義
深夜の散歩(18) 福永武彦 ウェールズ地方の古い廃坑の方へ 散歩も疲れてきましたから、次号から少し休ませていただくます。<作者>とある。
紙上殺人現場(その二) 大井広介 結城昌治について「選評(EQMMコンテスト)で僕は受賞作なしにしたいといい、早川の注文で、佐藤春夫がこれに手を入れてもらったらというので妥協したもののの、手を入れると、佐藤春夫が気乗りしなくなったといいだし、将来を危惧していたが、『ひげのない男たち』をみてホッとした。」という。同感です。
反対尋問 1959年回願(下) 後半はあまり内容がない。
ミステリニューウェイブ Sin
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 クロード・岡本
カット 市田喜一・上泉秀俊・吉原橙悦
ページ 208ページ
定価 150円 地方155円