EQMM 1960/4 No.3 別冊クイーンズマガジン 1960/Spring

女流作家特集の出来がひどすぎて参りました。

題名 作者 評点 コメント
“奴等” 城山三郎 5.0 緊張感ある発端なのに、そこから尻すぼみでおしまい。
きみも気をつけたまえ 菊村到 4.0 よくある妻と愛人の共犯話。
おとなしい妻 多岐川恭 4.0 これも生臭い話で好感が持てない。ここまでつまらない話ばかり。うんざりだ。
女はなんのために死ぬか? 曽野綾子 4.0 虚栄心に固まった女の話で、これまたつまらない。
銹びた恋 新章文子 5.0 これも暗い話で、救いがないのが嫌になる。
薄明の時 早坂久子 2.0 何が書きたいのだ。我慢も限界に近づいたぞ。
黒い霧を撒くのは誰 加藤てい子 3.0 ノイローゼの男の幻想か。これもつまらない。
ある殺意 由起しげ子 3.0 陽気な語り口だけが取り柄。
その名は言えなかった 結城昌治 6.0 多情と思われた女の殺人事件。証拠が曖昧で今ひとつ冴えない。
水上勉 4.0 話として完結していない。作者には『耳』という長編があるがその序章なのか?
マラッカ海峡 高橋泰邦 6.0 毎回読ませる海洋物だが、今回は結末がいささか雑すぎる。
通票閉塞区間 島田一男 7.0 快調に進む鉄道公安官物三作目。取ってつけたような解決だが、何はともあれ面白く読める。まわりのレベルがレベルなので、光って見えます。
劇のおわり 牧羊子
日本探偵小説史<3> 中島河太郎 涙香の海外作品移植
ヘア・イン・ミステリ 植田貢
表紙 三浦誠一
扉絵 真鍋博
カット 伊原通夫・真鍋博・吉原澄悦
ページ 208ページ
定価 150円 地方155円
  • 前半はつまらない話のオンパレードで、思わず「いいかげんにしろよ」と言いたくなるレベルでした。特に、女性作家特集は拷問のような出来。どれもつまらない男女関係の話ばかりで、作家としての創造力のなさに呆れました。
  • 結局、ここまで別冊EQMM掲載の日本作家では、島田一男の鉄道公安官物、高橋泰邦の海洋物だけが水準以上の作品。後はとてもEQMMに載せられる作品ではないですね。
  • EQMM本誌は78号まで読んで全く退屈していませんが、別冊は2号目で限界が見え、3号めで嫌気が差しました。後一冊、なんとか読み切ります。