EQMM 1960/11 No.53
ダールで始まり、ペンティコーストで締める、楽しい読書でした。
題名 | 作者 | 評点 | コメント |
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牧師のたのしみ | ロアルド・ダール | 8.0 | さすがダール。皮肉な結末で笑わせてくれる。 |
前奏曲の創作者 | エイヴラム・デイヴィッドスン | 7.0 | ラストのひねりが面白い。 |
疲れた馬 | ベン・ヘクト | 6.5 | 皮肉な結末が面白い。 |
月曜日の手紙 | マイケル・ギルバート | 5.0 | 行動の動機がわからん。 |
夫は年をとらない | アレックス・オースチン | 5.0 | 何のひねりもない。 |
ならずものギャラリイ | マッキンレイ・カンター | 6.5 | 手製モンタージュだな。 |
衣裳戸棚にいた男 | パトリシア・ノウルトン | 6.0 | オチはくすっとさせる。 |
復讐は我にあり | B・M・アトキンスン・ジュニア | 7.5 | こういうバカバカしい話は大好きだ。 |
ソック・フィニッシュ | ロバート・ブロック | 6.0 | 面白くなりそうな題材なのに、平凡な結末が残念。 |
名ゴルファーの死 | ヒュー・ペンティコースト | 7.5 | 主人公である若手貧乏ゴルファーの正義感には好感が持てるが、真相が少し暗い。でもペンティコーストは見直しています。どれも面白く読める。 |
隣の椅子(25) | 有馬頼義 | ||
バック・シート | 中村真一郎 | クレイグ・ライス「素晴らしい犯罪」の新訳について | |
紙上殺人現場(その十一) | 大井広介 | ||
ミステリラウンジ(9) | 扇谷正造 | O君の盗作について(注1) | |
ミステリニューウェイブ | Sin | ||
ミステリ・オン・ザ・ウェイブ | 刺片子 | フィルム番組増加の必然性(注2) | |
EQMM紳士録(7) | 高橋泰邦氏 | ||
東京三面鏡(7) | 青木雨彦 | 事件記者日記 | |
探偵小説風物誌 | 中内正利 | ||
表紙 | 稲垣行一郎 | ||
カット | 野口久光・上泉秀俊 | ||
ページ | 148ページ | ||
定価 | 100円 地方103円 |
- (注1)大薮春彦のこと。「火制地帯」がロス・マクドナルド「青いジャングル」の剽窃とされた。ケネス・ミラー名義だったので気づかれないと思ったのだ、という説あり。
- (注2)テレビ番組を「スタジオ番組」、「フィルム番組」、「ヴィデオテープ番組」の3つに分類。その割合を分析している。この辺からスタジオから生で番組を送る体制が難しくなってきたということらしい。この時代は、フィルム撮りのほうが制作費が高かったようだ。
- 新たに「空想科学小説コンテスト」の募集が出ている。
50〜70枚の非発表の創作であること。
SFマガジン・東宝株式会社共同主催
入選 第一席 五万円 第二席 三万円 第三席 二万円
審査 安部公房(作家) 半沢朔一郎(朝日新聞科学部長) 藤本真澄(取締役制作担当) 円谷英二(特技監督) 田中友幸(プロデューサー) 早川清(早川書房社長) 福島正実(SFマガジン編集長) - 読者への挑戦第4弾当選発表
「解答は、一〇七八三通、正解は一四〇二通」だという。
「今月号は読者への挑戦を休載いたしましたが、読者の方々からのご要望が多ければ、また問題をおだししたいと思っております。」とまた言ってます。