EQMM 1960/12 No.54 -特大号・ロアルド・ダール特集

ここに来て読むのが楽しい号が続いている。

題名 作者 評点 コメント
女主人 ロアルド・ダール 6.5 筋書きは読めてしまう。
ほしぶどう作戦 ロアルド・ダール 7.5 密漁のホラ話が楽しい。ラストも視覚的だ。
過去をたずねて ジョルジュ・シムノン 5.0 辛気臭い話だ。
イエスか、死か ルーファス・キング 5.0 何のオチにもなっていないぞ。
妻が殺されれば ジョージ・ハーモン・コックス 7.5 登場人物の配置もうまいし、楽しく読める。ただ、ラストが少しくどい。
誕生日のダイア バリイ・ペロウン 7.5 この作家はどれも面白いが、ラッフルズ物は特に良い。
犬のお悔やみ ジョン・コリア 6.0 ラストは今ひとつ拍子抜け。
いつまでねんねじゃいられない スタンリイ・エリン 6.5 少し長すぎるし、あまり意外性もない。
ミストラル吹く殺人 ゴードン・ギャスキル 8.0 昔好きだったギャスキル。40年以上経過した再読も楽しかった。ミステリ的にも良くできています。
隣の椅子(26) 有馬頼義
バック・シート 中村真一郎 「死はお熱いのがお好き」
紙上殺人現場(その十二) 大井広介
ミステリラウンジ(10) 扇谷正造 「今日は翻訳について書いてみたい」とのこと
ミステリニューウェイブ Sin
ミステリ・オン・ザ・ウェイブ 刺片子 ハードボイルドのムード(注)
EQMM紳士録(8) 小笠原豊樹
東京三面鏡(8) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 稲垣行一郎
カット 金森達
ページ 212ページ
定価 150円 地方155円
  • (注)TVミステリにもハードボイルド物が欲しいとの趣旨。「旋風児マーロー」というフィリップ・マーロウを主人公にした30分ドラマがあったのだが、大した出来ではなかったそうだ。しかし「旋風児」はすごい。「クラボウミステリ劇場」EQMM NO.47参照が8月で消えたとのこと。あの視聴率なら仕方がないでしょう。
  • 「異色作家短篇集」全6巻刊行の広告が出ている。6冊の仮題名は次のとおり。
    キスキス   ロアルド・ダール   第1回配本とある
    ミステリ・ストーリイズ スタンリイ・エリン
    地下三階 ジャック・フィニィ
    憂鬱の薬 レイ・ブラッドベリ
    夜の旅 チャールズ・ボーモント
    火のなかの絵 ジョン・コリア
    「12月上旬第一回発売予定」とのこと。先月と今月のダール3篇は、「キスキス」からの切り出しですね。