EQMM 1961/2 No.56 特大号

クイーンとアイリッシュの中編に満足。中盤の作品には目をつぶろう。

題名 作者 評点 コメント
キャロル事件 エラリイ・クイーン 8.0 最後までサスペンスフルな展開で読ませる。
百萬ドルのミステリ モーリス・プロクター 3.0 話がごたついていて展開かわからない。つまらん。
スキー殺人事件 ゴードン・ギャスキル 6.5 舞台設定は面白いが、話を詰め込みすぎ。ミステリ的に見れば、登場人物が多すぎて焦点が絞れない。
邪道 ヘンリー・スレッサー 5.0 オチはすぐわかる。
趣味はスリル パトリシア・ハイスミス 4.0 平凡な展開でひねりもなし。とりえもなし。
ブラグデン教授の憂鬱 アーサー・ゴードン 4.0 犬との確執話。つまらない。
千慮の一失 F・W・クロフツ 5.5 「殺人者はへまをする」ということ。
彫像になった泥棒 ジェラルド・カーシュ 6.0 盗みの手口が笑わせる。
女が家を出る時 ウイリアム・アイリッシュ 9.0 高校のときに感心し、気づかずに英語で再読したときも面白かった。さすがに今回は筋を覚えていたけど、やはり傑作。アイリッシュ(ウールリッチ)の作品では一番好きだ。配点は思い出(+0.5)加点。
隣の椅子(28) 有馬頼義
バック・シート 中村真一郎 カーター・ブラウン「ミストレス」について
紙上殺人現場(その十四)大井広介
ミステリラウンジ(12) 扇谷正造 「兵隊ミステリ」について
ミステリ・オン・ザ・ウェィブ 刺片子 「俳優失格」TV出演俳優のレベルが低いとお怒りです。
ミステリニューウェイブ Sin 「エド・マクベインズ・ミステリマガジン」創刊号の話。
EQMM紳士録(10) 稲葉由紀氏
東京三面鏡(10) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 稲垣行一郎
カット 勝呂忠
ページ 212ページ
定価 150円 地方155円
  • 広告に、ブレット・ハリデイの「マイケル・シェーン・シリーズ」第1回発売4月とある。その下部には、待望の1時間TVミステリ映画「マイケル・シェーン」が、新春2日より毎週月曜日午後8時〜9時 フジテレビにて放送とのこと。提供は「バャリース・オレンヂ」だそうです。
  • 最終ページに「編集ノート」があり、小泉太郎が「1961年は大忙しの年になりそう」としています。「ポケミス500巻到達、“異色作家短篇集” “黒人文学選集"の新しい企画、さらに初の日本作家書き下ろしとなる"日本ミステリ・シリーズ"もいよいよ発足」とあります。
    また、編集部の人間として森優、常盤新平のプロフィルが紹介されています。
  • 1961年から、偶数月、及び創刊月の7月号を特大号とするとのこと。新たに6月号が追加されました。