EQMM 1961/3 No.57 パロディ特集

パロディ特集というが、その対象作がぱっとしません。

題名 作者 評点 コメント
メグレほとんど最後の事件 トーマ・ナルスジャック 6.0 後半の展開が少し急で、まとまらない。
編集者を憎む男 リック・ルービン 5.0 ありふれたプロット。
三人の老嬢 マッキンレイ・カンター 6.5 トリックは大したことはないが、面白く読ませる筆力に感心。
血圧 デイモン・ラニアン 6.5 傍若無人な奴のとんでもない行動と、ラストが笑える。
名探偵、フローレンス・ナイチンゲール シオドー・マシスン 8.0 毎回楽しく読めるシリーズ物だが、今回は犯人設定などミステリとしても優れている。
スティーヴ・アレン・ショウのアリバイ O・H・レスリー 6.0 才人スレッサーなら、もう少し面白いオチを考えてほしかった。
昔通りに… イレイン・スレイター 5.0 なんとなくわかるが、もう少し明確に書くべきでしょう。
市役所殺人事件 A・H・Z・カー 6.5 ストレートな本格物。でも、この作者の持ち味ではない気もする。
友を語らば スチュアート・パーマー 名探偵をペンギンに見立ててのエッセイ
隣の椅子(29) 有馬頼義
バック・シート 中村真一郎 ヘンリー・スレッサー「グレイ・フラノの屍衣」
紙上殺人現場(その十五)大井広介
ミステリラウンジ(13) 扇谷正造 「兵隊ミステリ」続き
ミステリ・オン・ザ・ウェィブ 刺片子 「マイケル・シェーン登場」(注)
ミステリニューウェイブ Sin 「雑誌をもつ探偵作家」マイケル・シェーン関係の話
EQMM紳士録(11) 森郁夫氏
東京三面鏡(11) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 稲垣行一郎
カット 小松久子
ページ 148ページ
定価 100円 地方103円
  • ハヤカワミステリ「第1期500巻完結!」とのこと。500冊目は、エド・マクベインの「殺意の楔」。「息づまるスリルと緊迫感で描く87分署シリーズの決定版! 鬼才マクベインの最高傑作!」とあります。
  • ブレッド・ハリデイの「マイケル・シェーン・シリーズ」が1ページ広告に拡大。
    「眼帯をかけた探偵作家、ブレット・ハリデイは、アメリカでもっとも人気のある作家の一人です」とし、「ガードナーのペリイ・メイスンシリーズ、新鋭作家マクベインの87分署シリーズと、2つの人気シリーズを持つハヤカワ・ミステリは、第三の人気シリーズとして、ブレット・ハリデイのマイケル・シェーン・シリーズの全翻訳権を独占、一流訳者により、3月末より2冊ずつ順次刊行の予定です。ご期待下さい。」としている。
  • (注)「このところ一時間のテレビドラマがだんだん増えてきている」とのこと。「ディズニーランド」「ローハイド」「シャイアン」「ララミー牧場」「ボナンザ」「幌馬車隊」の名が上がっている。「1955年は、15分物37本、30分物約95本、1時間物11本という比率が、1960年には、15分物5本、30分物71本、1時間物41本と大きく変化している」らしい。「よくできた一時間のテレビ映画を観れば、入場料を払ってお粗末な映画を見るのがばからしくなる。」というコメントが、その後の現実を良く表している。