EQMM 1961/4 No.58 特大号

ハメットにうんざり。

題名 作者 評点 コメント
一握の土 A・H・Z・カー 5.0 何か宗教臭くて、訳のわからない話。
レーモンド事件の秘密 F・S・フィッツジェラルド 4.0 フィッツジェラルド13才の時の作品らしい。習作でしょう。
ロング・ショット エラリイ・クイーン 6.0 後味の良さは悪くないが、ミステリとしては平凡。
名探偵ウマル・ハイヤーム シオドー・マシスン 7.5 相変わらず楽しいシリーズ。今回は不可能犯罪。設定は面白いが、解決はなんとか辻褄を合わせたという感じ。
ガテマラに死す フランシス・クレイン 5.5 オチに繋がるまでの展開が今ひとつ。
裏階段 ハル・エルスン 4.0 よくある二重人格物。もはや古い。
ニュー・フェイス殺人事件 パトリック・クェンティン 7.5 前半、有名俳優の名前を出しながらダルースの大物ぶりを描き、後半のミステリに繋いでいく手法はさすがだ。
ジョン・ハーネッドの錯乱 ジャック・ロンドン 6.5 闘牛場とバーネットの感情描写は迫力がある。
ドヤ街の人々 エイヴラム・デイヴィッドスン 4.0 暗くて辛気臭い話。
死の払い戻し ブレット・ハリディ 5.5 シェーン物の事実上初紹介にしては、あまり面白くない。ポケミス発売の景気付けにはならなかったね。
血の報酬 第一部 大きな女 ダシール・ハメット 2.0 ごたごたしていて、騒々しいだけ。何というつまらない話だ。読み切るのに苦労した。
ハメットの死をめぐって 中田耕治 特別解説
エレガントな自殺の方法13講 その1 酒びたりの自殺 ハロルド・メイヤーズ 続くようだが面白くなさそう。
ヒトラーと「完全犯罪」 片岡啓二 なんでこんな場違いな文書が載ったのだろうか?
隣の椅子(30) 有馬頼義
バック・シート 中村真一郎 「ギャルトン事件」について
紙上殺人現場(その十六)大井広介
ミステリラウンジ(14) 扇谷正造
ミステリ・オン・ザ・ウェィブ 刺片子 テレビ放送のタブー
ミステリニューウェイブ Sin
あなたにそっくり(1) 新連載 愛読者の欄(注)
東京三面鏡(12) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 上泉秀俊
カット 北園克衛
ページ 212ページ
定価 150円 地方155円
  • EQMM(全115冊)読破も折り返し点を通過しました。ここまで、要した時間は17ヶ月。このままのペースで行くと、残り1年半はかかりそう。まだまだ先は長い。
  • (注)エド・マクベイン・ミステリ・マガジン創刊の話が出ている。これって、1号で廃刊になった「ホリディ」のことかな?
  • 「黒人文学全集」の広告は、この号が初回ですね。
  • この号から表紙画家が代わっているようだ。どこにも言及はないけど。