EQMM 1961/7 No.61

前半ぱっとしない作品ばかりだったが、後半盛り上がった。終わりよければ全て良し。

題名 作者 評点 コメント
私が死んだ夜 コーネル・ウールリッチ 5.0 暗くて辛気臭い話は好みでない。
「沈黙」売ります ドン・ノウルトン 6.5 スレッサーばりの展開だが、ラストは少し説得力に欠ける。
クォーター・デッキ・クラブ レスリー・チャータリス 6.5 良いテンポで進む職人芸。ちょっとした意外性もいい。
不調和のイメージ ダシール・ハメット 6.0 素人詩人探偵が銀行強盗を推理する話。ハメットらしからぬ本格物である。未掲載の習作をEQが買い取ったらしい。
走り続ける男 ウォルト・シェルドン 2.0 なんだこれは。日本に住んでいる外人というだけで載せたのか。
なにかが破れる ノーマン・ダニエルズ 5.0 どうも納得できる結末ではない。
七五郎女難 結城昌治 7.0 ペリー・メイスン物との連携で楽しく読めた。
心天斬魔剣 稲葉由紀 4.0 全くつまらない。
指紋は偽らず スチュアート・パーマー 6.5 少し筋立てが複雑。指紋トリックは笑うが、見破られたら致命的だね。
ダイヤモンド泥棒 メアリイ・ホッキング 8.0 知らない作家だが、舞台設定の面白さと早い展開で楽しく読める。陽気な女主人公がいいぞ。
疑う余地なし ビリイ・ローズ 8.0 2ページ程度のショートショートだが、オチが決まった。
ゴムの楔 ヒュー・ペンティコースト 8.0 このところご贔屓のペンティコースト。この作品も巧みに人物関係を描き、面白く読ませる。
エレガントな自殺の方法13講 その4 冷凍自殺 ハロルド・メイヤーズ
隣の椅子(33) 有馬頼義
バック・シート 中村真一郎 サマーセット・モーム「アシュンデン」
紙上殺人現場(その十九)大井広介
ミステリラウンジ(17) 扇谷正造
ミステリニューウェイブ 今回は無記名
あなたにそっくり(4) 「走り続ける男」の原作者、ウォルター・J・シェルドン氏
東京三面鏡(15) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 上泉秀俊
カット 勝呂忠・真鍋博
ページ 214ページ
定価 150円
  • この号で創刊六周年を迎えています。
  • 「エド・マクベインズ・ミステリ・ブック創刊近し」との広告あり。結局、出なかったけどね。
  • 結城昌治と稲葉由紀の作品は、銭形平次と眠狂四郎のパロディ。
  • 第三回EQMMコンテスト詮衡経過報告
    応募総数363点、この内1次審査によって50点にしぼり、2次審査で以下の7点を選んだとこと。
    「知らない街、知らない人」猪俣聖吾
    「廊下で消えた男」鈴木五郎
    「死者には夢を」膳哲之助
    「名探偵の死」西岡恭太郎
    「白い降誕祭」宝生康雄
    「棺」村みつる
    「ある男の犯罪」横山藤衛
    このコンテスト、結城昌治以外はモノにならなかったなあ。