EQMM 1961/10 No.64 ユーモア小説特集

平凡な作品ばかりで、盛り上がりに乏しい号でした。

題名 作者 評点 コメント
いまわしい思い出 ヘンリー・スレッサー 6.0 この作者にしては平凡な出来。
キチンときれいに ジョージ・ハーモン・コックス 7.0 エレベータの中でタバコを吸うのが当たり前だった時代の話。強盗事件の犯人設定が面白く、後味もよい。
ロンドン・マンハント マイケル・ギルバート 4.0 長いだけで退屈。
死んだ時間 マルセル・エイメ 5.0 一日毎に消えてしまう男の悲劇。よくわかりません。
誘導訊問 リチャード・ハル 5.0 言葉尻を捕まえただけ。
災難ブラッドリイの事件 クレイグ・ライス 7.5 少し無理のあるトリックだが読ませる。マローンが出てくるだけで面白い。
慧眼のウォーリイ ポール・W・フェアマン 6.0 構成は面白いが、ラストのオチが今ひとつ。
村みつる 6.5 語り口は悪くないが、結末をもう少しひねって欲しい。
階上の男 P・G・ウッドハウス 6.5 後味の良い話だが、今ひとつ盛り上がらない。
いちばん奥の部屋 ドン・ノールトン 5.0 つまらない話。
名ストリッパー物語 デイモン・ラニアン 6.5 ラニアンの語り口はいつも面白い。
偉大なるフランス式決闘 マーク・トウェイン 6.0 皮肉な結末は笑わせる。
九一三号室の謎 解決篇 殺人室 コーネル・ウールリッチ 6.5 「自殺が連続する部屋」という設定は面白いが、このトリックは無理でしょう。
空部屋 ジョン・ディクスン・カー 6.5 小品でいささか物足りなさを感じるが、ストーリー展開のうまさはさすが。
輝かしきEQMMの歴史 アントニー・バウチャー 本国版EQMM20周年を記念して、ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビューに載ったもの
エレガントな自殺の方法13講 その7 最期の狩猟 ハロルド・メイヤーズ
隣の椅子(36) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一
紙上殺人現場(その二十二)大井広介
ミステリラウンジ(19) 扇谷正造
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ 月曜日の男
ミステリニューウェイブ sin
あなたにそっくり(7)
東京三面鏡(18) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 上泉秀俊
カット 真鍋博・金子三蔵
ページ 214ページ
定価 150円
  • 丸谷才一のエッセイ「マイ・スイン」が新連載。
  • 「階上の男」から「偉大なるフランス式決闘」の4篇が、ユーモア小説特集。
    どれも大した出来ではありません。
  • 「エド・マクベイン・ミステリ・ブック」を「東京人」という雑誌名で出すとのこと。
    本当に出版されたのかな。「エド・マクベイン・ミステリ・ブック」自体、短命で終わったようですから。