EQMM 1961/11 No.65

粒ぞろいの作品で楽しく読めていたが、ガードナーでがっくり。終わりよければ全てよし、なのだが。

題名 作者 評点 コメント
役者の血 ベン・ヘクト 6.5 死んだ女優とその真相に迫るかつては名優だった父。格調高い語り口で読ませるが、ミステリ的には見当がつく。
死人に口あり ラウール・ホイットフィールド 5.0 何の意外性もない古臭いハードボイルド。
セイント・パトリック祭の朝早く シャーロット・アームストロング 7.0 ちょっと無理な設定だが、一気に読ませる筆力がある。
生きたいと願う女 ブライス・ウォルトン 5.5 よくある設定だし、結末も平凡。
メッケネルの鬼 リック・ルービン 7.5 復讐手段が面白い。
共犯者 ヘンリー・スレッサー 7.0 この作家ならではの皮肉な結末。
おそろしい愛 フィリップ・マクドナルド 7.0 結末は見当がつくが面白く読ませる。
過ぎ去りし日々 フレッチャー・フローラ 5.0 ラストの展開が肩すかしでがっかり。
ルパンの発狂 トーマ・ナルスジャック 8.0 ルパンの初期短篇を思わせる展開で読ませる。意外性も悪くない。おまけに保篠龍緒調の総ルビ旧カナの訳という趣向も楽しい。
死は貨車に乗って E・S・ガードナー 4.0 ガードナーの作品とは思えない。とんでもなくつまらない。
エレガントな自殺の方法13講 その8 株屋町に死す ハロルド・メイヤーズ
隣の椅子(37) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一 ポール・ソマーズ「震える山」
紙上殺人現場(その二十三)大井広介
ミステリラウンジ(20) 扇谷正造
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ マルタ 外国フィルムの楽屋裏(注)
あなたにそっくり(8)
東京三面鏡(19) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 上泉秀俊
カット 小松久子・東君平
ページ 214ページ
定価 150円
  • 第4回EQMMコンテスト応募規定
    E.Q.M.M世界短篇コンテスト再開!。賞金総額180万円としている。
    「EQMM世界短篇探偵小説コンテストは1946年に始まり、1956年に一時休止となっていましたが、このたび第13回コンテストとして再開されることになりました。小社では日本の探偵小説を世界の檜舞台に紹介するため、第4回日本コンテストの入選作を英訳して、EQMM本国版編集部へ送るつもりです。」とのことです。
  • 外国フィルムの楽屋裏
    当時のテレビ東京五局(NHK、NTV、TBS、フジ、NET)の外国フィルムは、
    西部劇     18
    探偵警察    21
    冒険活劇     3
    コメディ    15
    ドラマ      4
    漫画      11
    ドキュメンタリ  4
    週間計76本あったという。