EQMM 1962/1 No.67 新年号
スタウトの中編を軸にバランスの取れた構成だ。
| 題名 | 作者 | 評点 | コメント |
|---|---|---|---|
| あらごと | E・S・ガードナー | 5.0 | 30年台の古臭いハードボイルド。 |
| カラハンの帽子 | ノーマン・ダニエルズ | 6.0 | ちょっとした人情話。 |
| 暗殺宣言 | ポール・アンダースン | 4.0 | 未来を舞台にしたスパイ物。話の展開がもたついているうえ、プロパガンダ臭くてつまらない。 |
| 復讐 | A・H・Z・カー | 7.0 | 呪われた車を巡る怪談話。ラストは予想できるが考えられている。 |
| 幸福な短い人生 | フレドリック・ブラウン | 6.0 | タイムマシン物。今ひとつピンとこない。 |
| エド・マホニイの息子 | トマス・ウォルシュ | 7.5 | こういう人情噺は悪くない。題名が効いている。 |
| 数枚の銀貨 | ブレット・ハリディ | 7.5 | メキシコを舞台に、傲慢なアメリカ人の末路が達者な語り口で進められる。ニヤッとさせるラストも良い。 |
| さよなら、ケネディ | ウイリアム・フェイ | 6.5 | ご都合主義の展開だが、読者を安心させる結末は悪くない。 |
| ねじれたスカーフ | レックス・スタウト | 7.0 | ウルフ宅で開かれていた蘭展覧会での殺人。殺された女は先日起こった殺人事件の犯人が参加者の中にいるとアーチに言い残していた。謎はいつものようにたいしたことはないが、おなじみの登場人物で楽しく読める。 |
| 女豹 第二回 サンセット77 | ロイ・ハギンス | 感想は最終回に。 | |
| エレガントな自殺の方法13講 その10 女は度胸 | ハロルド・メイヤーズ | ||
| 隣の椅子(39) | 有馬頼義 | ||
| マイ・スイン | 丸谷才一 | 長い長い物語について。「月長石」など。 | |
| 紙上殺人現場(その二十五)大井広介 | |||
| ミステリラウンジ(22) | 扇谷正造 | ||
| ミステリ・オン・ザ・ウエィブ | 刺片子 | コマーシャルの楽しみ | |
| ミステリ・ニュー・ウエィブ | sin | シモンズのクリスティへのインタビュー記事紹介(注) | |
| あなたにそっくり | |||
| 東京三面鏡(21) | 青木雨彦 | 事件記者日記 | |
| 探偵小説風物誌 | 中内正利 | ||
| 表紙 | 上泉秀俊 | ||
| カット | 北園克衛 | ||
| ページ | 214ページ | ||
| 定価 | 150円 |
- (注)サンデイ・タイムズ1961年10月15日号に載ったものとのこと。幼少期の話から、「スタイルズ荘」や「ゴルフ場殺人事件」など初期の作品と、映画化された「情婦」の莫大な印税に触れているのが面白い。この当時のクリスティは、いまのところ「ポアロものは書けない」と言っているそうです。