EQMM 1962/3 No.69

期待していたギャスキルとガードナーが今ひとつだったのが残念。

題名 作者 評点 コメント
怯えたスター ヒュー・ペンティコースト 7.5 人知れず故郷に戻ってきた女優にまつわる殺人事件。発端から引き込まれるし、後味も良い。
絶体絶命 マーク・トウェイン 6.5 とんでもないはめに陥った主人公のおかしさと、結末を読者に考えさせるというなかなかの趣向。
闇夜 メルヴィル・D・ポースト 7.0 アブナー伯父と男の緊張感あるやり取りが、時代背景と相まって読ませる。
ナポレオンに似た男 ロバート・ブロック 6.0 ナポレオンの生まれ変わりと信じている男の話。オチはワーテルローなのね。
危険な遊戯 エドウィン・カーター 4.0 オチがわからん。
鍵のない扉 ノーマン・ダニエルズ 7.0 記憶喪失の老人と親に見放された男の子、悪くない人情話。
あるく死体 W・P・マッギヴァーン 7.0 少し時代を感じさせる設定とプロットだが、読ませます。
海中の殺人 ゴードン・ギャスキル 6.0 期待していたギャスキルだが、今回の作品は出来が良くない。コルシカ島での宝探しという設定は面白くなりそうだったのに残念だ。
ニ本の脚で立て E・S・ガードナー 4.0 ゴタゴタしていて全く面白くない。
女豹 第四回 サンセット77 ロイ・ハギンス 感想は最終回に。
エレガントな自殺の方法13講 その12 インスタントは飽きた ハロルド・メイヤーズ
隣の椅子(41) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一 フウレッド・カサック「日曜日は埋葬しない」
紙上殺人現場(その二十七)大井広介
ミステリラウンジ(24) 扇谷正造 最終回
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ マルタ ゆく年くる年(注1)
ミステリ・ニュー・ウエィブ sin アメリカ探偵小説白書(Ⅰ)(注2)
あなたにそっくり
東京三面鏡(23) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 上泉秀俊
カット 東君平
ページ 214ページ
定価 150円
  • (注1)テレビ界一年の回想。
    ミステリやスリラーで姿を消したもの(リピートしたものもある)
    「探偵マイケル」「タイトロープ」「ペリー・メイスン」「危険を買う男ロビン・スコット」「モーガン警部」「国際非常線」「探偵記者ウィンチェル」。スタジオドラマでは、「東京物語」「清張シリーズ黒い断層」、異色物では「世にも不思議な物語」が消えたとのこと。
    一方で、『新作も豊富で、「アンタッチャブル」「チェックメイト」「マイク・ハマー」「ラインアップ(捜査線)」「アウトロー」「第三の男」「シカゴ特捜隊M」「サーフサイド6」「マイアミの戦慄」がある。』としているが、『日本物では「特別捜査機動隊」が初の長時間フィルムズで気を吐いたが、中身はどうも...といったところか。』と手厳しい。
    さらに『垂涎の「87分署シリーズ」が登場予定、「タイトロープ」「ペリーメイスン」が1時間物として復活する。』という。
  • (注2)アメリカ探偵小説界、現状紹介。
    アメリカの探偵作家数は約250人、そのうち100人はペーパバック書き下ろし専門だという。また、探偵小説を出している出版社は20社以上。最も有力なのが、ダブルデイの”クライム・クラブ”とのこと。