EQMM 1962/4 No.70

まるでマンハントのようなラインアップだが、面白く読めました。

題名 作者 評点 コメント
九時から五時までの男 スタンリイ・エリン 7.0 これだけの題材で、一つのストーリーにまとめるのだから大したものだ。
自白 ヘレン・ニールスン 6.0 自動車事故の巻き込まれた少年の話。昔はこんなに酔っ払い運転が多かったのか。
虹をつかむ男 ジェームズ・サーバー 2.0 なんだ、この気違いのたわごとのような話は。
抜けめない奴 ブルーノ・フィッシャー 7.5 友人の妻を借金取りから救おうとした男の話。ちょっとした捻りのあるラストまで、うまくまとまっている。
ストリップ戦術 リチャード・S・プラザー 7.0 お調子者探偵シェル・スコット登場。ラストのストリップには大笑いさせてもらった。
暗黒の試練 W・P・マッギヴァーン 8.0 侵入者に対決する親子の家族愛と息子の行動力が良い。
ああ、兄貴 ダシール・ハメット 5.0 まとまりの悪いボクシング物。
地獄のふたを破れ E・S・ガードナー 6.5 相変わらずの早い展開で読ませる。
太鼓のひびき スティーブン・マーロウ 6.0 飛行機内の爆弾もどきを巡るショートストーリー。
見解 ハロルド・R・ダニエルズ 5.0 救いのないクライムストーリー。
バラと白骨 ガイ・カリンフォード 6.5 庭で白骨を発見した男の話。
女豹 第五回 サンセット77 ロイ・ハギンス 感想は最終回に。
エレガントな自殺の方法13講 その13 東西緊張緩和方式 ハロルド・メイヤーズ
狂乱の20年代(めりけんギャンブラー物語)ワールド・シリーズを買収した男 大原寿人 暗黒街の大物アーノルド・ロスタインの生涯について
隣の椅子(42) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一 中田耕治「危険な女」
紙上殺人現場(その二十八)大井広介
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ テーマソング時代
ミステリ・ニュー・ウエィブ sin アメリカ探偵小説白書(Ⅱ)
あなたにそっくり
東京三面鏡(24) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 勝呂忠
カット 真鍋博
ページ 214ページ
定価 180円
  • この号からの値上げが編集前記で告知されています。また、昨年度の中途から特大号をやめ、通常号を特大号レベルに拡大するということになっていたのですが、再度変更するということです。
  • 最終ページに、『諸物価の高騰は、出版印刷業界にもいちじるしい影響をあたえ、どうしても現在のままでは発行不可能の状態となりましたので、やむを得ず、三誌協定の結果、今四月号より普通号百五十円、特大号百八十円とすることに致しました。よろしくご了承のほど、お願い申し上げます。』とし、三社名が載っています。
    エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン
    マンハント
    ヒッチコックマガジン
  • 「三誌が協定して値上げをする」という談合もどきのことが、この当時の慣習だったのでしょうか。よくわかりません。
  • この号から、表紙画家が勝呂忠に変更になったようです。というか、創刊号から表紙は勝呂忠が担当していたので、元に戻ったということですね。