EQMM 1962/5 No.71
平均レベルの作品が多いなか、ブラウンのエド・ハンター物の出来が光る。
題名 | 作者 | 評点 | コメント |
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罪ほろぼしの金 | ニコラス・ブレイク | 6.0 | 平凡な掌編だが、ほのぼのとした感じが良い。 |
さびしい医者 | ハロルド・Q・マスア | 6.5 | 友人の医者がひき逃げされるのを目撃したスコット・ジョーダンが謎を解く。 |
若い娘たち | ジャック・ロンドン | 7.0 | 厳寒のアラスカを舞台にした追跡劇。ミステリ的な要素はないが、作者の筆は迫力がある。 |
女が男を殺すとき | フレドリック・ブラウン | 8.0 | エド・ハンター物初の中編。妻に殺されると訴える男。その弟として乗り込むエドの活躍が楽しい。 |
渡り者 | ロバート・ブロック | 5.0 | 今ひとつピンとこないオチだ。 |
死ぬには若すぎる | フレデリック・ネベル | 5.0 | 定型的で出来のあまり良くないB級ハードボイルド。 |
ウォーリイと同窓会 | ポール・W・フェアマン | 6.0 | 手紙のやり取りの展開は面白いが、ラストが今ひとつ。 |
女豹 最終回 サンセット77 | ロイ・ハギンス | 5.0 | 5、60年代定型ハードボイルドスタイルで話は進むが、盛り上がりに乏しく退屈する。(注1) |
エレガントな自殺の方法13講 補講 遺書の書き方その他 | ハロルド・メイヤーズ | ||
チェスタートンの逆説 | ヨシダ・ヨシエ | ||
狂乱の20年代(めりけんボクシング物語) | 大原寿人 | ジョー・デンプシイの話。 | |
隣の椅子 | 有馬頼義 | 休載 | |
マイ・スイン | 丸谷才一 | ||
紙上殺人現場(その二十九)大井広介 | |||
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ | 刺片子 | 国産テレビ映画の曙光(注2) | |
ミステリ・ニュー・ウエィブ | sin | クイーンのペーパーバックオリジナルの件が話題になっている。 | |
あなたにそっくり | |||
東京三面鏡(25) | 青木雨彦 | 事件記者日記 | |
探偵小説風物誌 | 中内正利 | ||
表紙 | 勝呂忠 | ||
カット | 野口久光・小松久子・金森達 | ||
ページ | 170ページ | ||
定価 | 150円 |
- (注1)ロイ・ハギンス「女豹」は、EQMMでは初の長編連載(1961/12〜1962/5までの6回)作品。
- (注2)外国製品が一番幅を利かせているのは、テレビ映画ではないかとのこと。国産テレビ映画が出来が粗悪なのは、結局コストの問題で「安かろう悪かろう」に甘んじていたが、最近のNAC作品、松本清張原作「影の地帯」は、そこからの脱却が期待できるという論旨です。
- 1号で休刊になった「ホリデイ」ですが、その元となるはずだった「エド・マクベイン・ミステリ・ブック」からの転載が増えています。前号のリチャード・S・プラザー、今号ではマスアとブラウンのものがそうでした。
- ポケミスの広告に眼が出てきたのはこの号が始まりではないでしょうか。
前月の価格改定で、通常号は170ページ、150円になった模様。