EQMM 1962/6 No.72 特大号

読ませる作品揃い。ラストのシェリダンで締まりました。

題名 作者 評点 コメント
二人の作家 レイモンド・チャンドラー 4.0 正直言って、どこが面白いのかわからない。
自分を語る レイモンド・チャンドラー エッセイ
不気味な小屋 ハロルド・R・ダニエルズ 7.5 死体の行方を巡る展開がサスペンスフルに描かれていて、読ませる。
腕くらべ O・ヘンリー 2.0 なんの話なのか全く理解できない。
ざんねんでした D・M・マンキウィッツ 6.5 博打に負け続けている男の逆転劇。語り口が楽しい。
ギデオンと放火魔 J・J・マリック 6.5 複数の事件が目まぐるしく展開される構成が、当時としては新しかったのだろう。しかし、今ではテレビドラマで、より視覚的に描かれるようになってしまった。
珍品 ヘンリー・スレッサー 6.0 今ひとつオチが決まらない。
酒にたたられた男 ベンジャミン・シーゲル 7.0 富豪の娘に惚れた男が殺人の罠にかかる。ちょっとした意外性もあって面白い。
札束恐怖症 コーネル・ウールリッチ 6.5 アレルギーで無罪を勝ち取る手法はなかなかユニーク。
目覚ましは3時に鳴る トマス・ウォルシュ 6.5 少しギクシャクした構成だが、最後まで面白く読める。
ハワイには蛇はいない ジャニータ・シェリダン 8.0 ハワイにやってきた画家夫婦の微妙な関係をサスペンスフルに描き、ラストまで読者を引っ張っていく手腕はなかなか見事だ。
狂乱の20年代(めりけんヒーロー物語)33時間29秒の奇蹟 大原寿人 リンドバーグの話。
隣の椅子(43) 有馬頼義 いつまで続くのだろう。
マイ・スイン 丸谷才一 パトリック・クェンティンの作品について
紙上殺人現場(その三十)大井広介
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ 刺片子 テレビ界二つの戦い(注)
ミステリ・ニュー・ウエィブ sin パルプマガジンは死んだ?
あなたにそっくり
東京三面鏡(26) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 勝呂忠
カット 野口久光・金森達
ページ 218ページ
定価 180円
  • (注)民間テレビ局の勢力分布図についての話。「日本テレビ系列」と「東京放送系列」が二大勢力で、「フジテレビ系列」と「NETテレビ」はスタートが遅れているとのこと。ただ、地方放送局の系列化は、競争状態だったようです。
  • 各局の高視聴率番組5本は、以下の通り。
    東京放送 「七人の刑事」「ボクシング中継」「名犬ラッシー」「咲子さんちょっと」「サーフサイド6」
    NHK 「事件記者」「ジェスチャー」「私の秘密」「お笑い三人組」「それは私です」
    日本テレビ 「プロレス中継」「ダイヤル110番」「教授と次男坊」「パパは何でも知っている」「ボクシング中継」
    フジテレビ 「マイマイショー」「ズバリ当てましょう」「検事」「笑えば天国」「三太物語」
    NETテレビ 「ローハイド」「ララミー牧場」「アンタッチャブル」「ちびっ子ギャング」「特別機動捜査隊」
  • ポケミスの広告に、先月号から「眼が出てきた」と書きましたが、今号から「世界最高最大のミステリシリーズ」という惹句が追加になりました。続けて、概刊数を記載。今号では591点とあります。