EQMM 1962/7 No.73

マシスンで盛り上がったのに、ダールでがっかり。

題名 作者 評点 コメント
一滴の血 コーネル・ウールリッチ 6.0 どこがコンテスト第一席なのだろう。平凡なクライムストーリーだ。
幽霊パトロール シンクレア・ルイス 6.5 昔気質の警官の話。古い浪花節だが、悪くない。
ある日、広場で ジュリアン・シモンズ 5.5 探偵と不可思議な女性依頼人と言った伝統的な設定だが、出来は平凡。
空家の殺人 トマス・W・ハンシュー 4.0 話が変に複雑でわけがわからない。
汚れている本 星新一 5.0 本を巡る思わせぶりな話。
黒猫が死んだ エラリイ・クイーン 6.5 マーダーゲームでの殺人事件をエラリイが解く。特にサプライズはないが、悪くない出来。
落ちなかった小石 D・マックルアー 7.0 射撃名人のほら話。思わず笑わせてくれる。
名探偵アレクサンドル・デュマ シオドー・マシスン 8.0 モンテ・クリスト伯にちなんだ仮装パーティでの殺人に、狂人の汚名と自らの容疑を晴らすべくデュマが立ち向かう。犯人の動機が今ひとつだが、ストーリー展開が面白い。
マダム・ロゼット ロアルド・ダール 4.0 ダールとは思えないつまらない話。
自分を語るII レイモンド・チャンドラー
カーター・ブラウン論 ヨシダ・ヨシエ 論じる意味のある作家なのか。
狂乱の20年代(めりけんヒーロー物語)33時間29秒の奇蹟(続) 大原寿人 リンドバーグの話(続)。
隣の椅子(44) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一
紙上殺人現場(その三十一)大井広介
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ 刺片子 (注)社会派とミステリ番組
ミステリ・ニュー・ウエィブ sin レイモンド・チャンドラーの遺稿について
あなたにそっくり
東京三面鏡(27) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 勝呂忠
カット 野口久光・上泉秀俊
ページ 170ページ
定価 150円
  • 第四回EQMMコンテストの第二次審査結果が発表されている。応募総数三百五十九点を第一次審査で、五十点、第二次審査で下記の七点に絞ったとのこと。
    「枠の中の顔」出雲健 「ぬけ目のない奴」貴方行 「魔法使いの弟子」坂本惠宣 「憧憬」善哲之助 「手術」薗田淳 「変身願望」西崎恭 「トリコニーNo.6を打った靴」十八女菊男
  • (注)東京のテレビ局の週間ミステリ番組が列記されている。TBS「東京放送」 NTV「日本テレビ」 CX「フジテレビ」 NET「日本教育テレビ」の略。
    (月)TBS「月曜日の男」 CX「パリ司令69」 NET「ニューブリード、ファミリーステージ、マイアミの戦慄、風の視線、指名手配」
    (火)TBS「ファミリーステージ」 NTV「ダイヤル110番」 CX「蒼い描点」 NET「アンタッチャブル、ニューヨーク捜査網」 NHK「事件記者」
    (水)TBS「七人の刑事、ミステリーゾーン」 CX「シカゴ特捜隊M、マイク・ハマー」 NET「特別機動捜査隊」
    (木)TBS「裸の町、秘密命令」 CX「第八十七分署」 NET「ブラナガンメモ」 NHK「黒の組曲」
    (金)TBS「マンハッタン・スキャンダル」 CX「ペリー・メイスン、トリオ」 NHK「黒の組曲」
    (土)TBS「サーフサイド6、日真名氏飛び出す」 NTV「モーガン警部、ヒッチコック劇場」 CX「土曜劇場」 NET「第三の男」
    (日)TBS「サンセット77」 NTV「部長刑事」 CX「検事」 NET「ハイウェイパトロール、スリラー」 NHK「私だけが知っている」
    これを主人公の職業別に分類すると、(警察官-国際警察、検事を含む)18本、(私立探偵−推理作家、弁護士、カメラマン等の変形を含む)10本、(記者)3本、他の7本は一貫した主人公をもたない単発物とのこと。