EQMM 1962/8 No.74 7周年記念特大号

スタウトとマクベインの二大中編で、読みごたえのある号だった。

題名 作者 評点 コメント
逃げる女 E・S・ガードナー 5.0 筋がわかりにくい。電報のカタカナがそれに輪をかけていらつく。
野心家刑事 ウイリアム・フェイ 8.0 町内に敵だらけの刑事が挑む殺人事件。ラストは少し出来すぎだが、意外な展開が面白い。
最高の演技 ハロルド・R・ダニエルズ 7.0 偽の殺人予告で金をせしめてきた男が、最後に味わうオチが笑わせる。
探偵商買ことはじめ ニュートン・ニューカーク 6.0 ちょっとした小話。
ど・れ・が・殺・し・た? レックス・スタウト 6.5 依頼人の女性がオフィスで殺され、プライドを傷つけられたウルフは自前で捜査にあたる。例によってミステリとしてはたいしたことはないが、お馴染みの登場人物が楽しい。
かなしい二人 結城昌治 7.0 少し微妙だが、予想外のオチが面白い。
雪山の殺人 エド・マクベイン 7.5 雪山を舞台にした連続殺人。地元警察との軋轢などを絡めて、一気に読ませる。
トラブルはわが影法師 第一部 オワフ島 ロス・マクドナルド 感想は最終回に。
自分を語るIII レイモンド・チャンドラー
狂乱の20年代(めりけん残酷物語)電気椅子にすわった女 大原寿人
隣の椅子(45) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一 マーロウ物について
紙上殺人現場(その三十ニ)大井広介
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ 刺片子 テレビの優等生
ミステリ・ニュー・ウエィブ sin 1961年度のエドガーズ決定
あなたにそっくり
東京三面鏡(28) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 勝呂忠
カット 北園克衛
ページ 218ページ
定価 180円
  • 第四回EQMM短篇コンテスト最終審査報告は、「特に卓抜した作品がなく、したがって、予選通過作品にも入選、佳作の対象とするに足るものではないという結論に達しました。」とのこと。
    都筑道夫は、「今度が一番、ひどかったような気がする。候補に残った7篇ともに、推理小説の伝統を背負った作品とならんで、EQMM誌上にのる覚悟があるのか、疑わしい。」と手厳しかった。