EQMM 1962/9 No.75

地味な作品ばかりで、いささかぱっとしない号である。

題名 作者 評点 コメント
女が嘲笑うとき シャーロット・アームストロング 5.0 嫌な女の話で後味も悪い。
ミルフォード市文化繁盛記 ジョン・ユージイン・ヘイスティ 3.0 何が書いてあるのか理解できない。
法のあり方 ドン・ノールトン 7.5 堅物の判事が思いもかけぬ冒険をするはめになる、後味も良く楽しい話。
眼には眼を ハロルド・R・ダニエルズ 7.0 息子を見殺しにさせた男への復讐談。悪くない出来。
花嫁への贈りもの ルーファス・キング 5.0 娘のために恐喝者の元夫を殺害した夫人の話。面白くない。
断食錠 佐野洋 5.0 オチがつまらない。
マルドーン巡査の退職 ノーマン・ダニエルズ 7.5 退職を迫られている老警官にまつわる心温まる人情話。
霧と断崖 リック・ルービン 4.0 車強奪一家の中で育った少年は良心に目覚める。暗くてぱっとしない話である。
日曜釣友クラブ ヴィクター・カニング 5.5 若手捜査員が洗い出した妙な連続殺人。
トラブルはわが影法師 第二部 デトロイト ロス・マクドナルド 感想は最終回に。
狂乱の20年代(めりけん法廷物語)世紀のナンセンス裁判 大原寿人
隣の椅子(46) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一
紙上殺人現場(その三十三) 大井広介
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ マルタ 放送事故は花ざかり(注)
ミステリ・ニュー・ウエィブ sin プリーストリイのチャンドラー論
あなたにそっくり
東京三面鏡(29) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 勝呂忠
カット 小松久子
ページ 170ページ
定価 150円
  • (注)ラジオやテレビにおける送事故が多発しているとのこと。外国フィルムの吹替えテープに、全然違う古いテープをかけてしまった例が挙げられています。フィルムとぜんぜん関係のないセリフが、どんどん飛び出していくという始末らしいですが、一度見てみたいものです(笑)。
    この場合、放送料金と制作費の不払いということで、30分で約400万の事故とのことですが、これは若いディレクターの5,6年分のサラリーとほぼ同額だそうです。当時の年収は、70万程度ということですか。