EQMM 1962/11 No.77 TVミステリ特集

マクベインで始まり、ハリデイで終わる。文句なしの一巻でした。

題名 作者 評点 コメント
J エド・マクベイン 6.5 ユダヤ教の牧師殺しの話だが、異教徒にはわからない動機だ。
スター誕生 ヴィクター・カニング 7.0 気の利いた結末が面白い。
誰も信じてくれない ウイリアム・E・バレット 5.0 妙な物質を発見した化学者の話だが、ラストにひねりもなく陳腐な出来に終わったのが惜しい。
奇妙な夜勤で ナイジェル・モーランド 7.0 出世とは縁のない老警官が殺人の謎を解く。悪くない展開でオチも面白い。
ざんげ室にて アリス・スキャンラン・リーチ 6.0 意外性を狙ったのだろうが、今ひとつ決まらなかった。
飛行船 樹下太郎 6.0 ちょっとしたファンタシーか。
死人の日記 ブレット・ハリディ 7.5 一気に読ませる展開と意外性のあるラスト。さすが職人ハリデイである。
トラブルはわが影法師 第3部 大陸横断鉄道 第4部 旅路の果て ロス・マクドナルド 感想は最終回に。
狂乱の20年代(めりけんブン屋物語) 暗黒街に雇われた新聞記者 大原寿人
隣の椅子(48) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一
紙上殺人現場(その三十五) 大井広介
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ 刺片子 (注)視る聴く雑話
ミステリ・ニュー・ウエィブ sin ロックリジ夫妻50冊目の長篇
あなたにそっくり
東京三面鏡(31) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 勝呂忠
カット 金森達
ページ 218ページ
定価 180円
  • マクベインの作品は「アーゴシイ」に載ったもの。当初は三号雑誌に終わってしまった「エド・マクベイン・ミステリ・ブック」の第四号に掲載される予定のものだったとのこと。
    ハリデイのマイケル・シェーン物は、70ページの中編ですが、1945年の「ブラック・マスク」に載ったものだそうです。このところ、本国EQMM以外からの作品が増えています。EQMMからHMMへの転換が近いことがうかがえる傾向です。
  • (注)20パーセント以上の視聴率を撮ったミステリ番組の一覧が載っています。(東京・電通調査)
番組名 放送局 36年8月 36年11月 37年2月 37年5月 37年8月
事件記者 NHK 43.9 41.0 48.1 28.2 33.6
指名手配 NET 27.8
私だけが知っている NHK 24.0 26.0 22.0 22.9
日真名氏飛び出す TBS 24.1 32.3 25.2 24.2
モーガン警部 NTV 43.0
シカゴ特捜隊M CX 27.8 24.1 22.9 23.7 24.0
タイトロープ NET 21.4
ダイヤル110番 NTV 29.6 27.4
七人の刑事 TBS 20.4 36.4 21.2 27.8
サーフサイド6 TBS 24.7 27.1
サンセット77 TBS 23.2 22.7
特別機動搜查隊 NET 27.2 30.2 33.1
月曜日の男 TBS 21.2 20.0 31.2
アンタッチャブル NET 30.4 29.3
ミステリーゾーン TBS 24.3
87分署 CX 22.9

これ以外では、『医師サスペンスと言うべき「ベン・ケーシー」』が、44.2パーセントという驚異的な視聴率を獲得して話題となったとのことです。