EQMM 1962/12 No.78 女流作家特集

マクロイはさすが。あとはいささか物足りません。

題名 作者 評点 コメント
探偵ごっこ シャーロット・アームストロング 6.5 隣家に押し入った脱獄犯を推理作家が現場の証拠から推理するが..くすくす笑える話。
望みのない事件 ヘレン・ニールスン 5.0 展開がゴタゴタしていて、話がうまくつかめない。
決してつかまらない マージェリー・アリンガム 6.0 妻殺しを企む薬剤師がしっぺ返しを食らう。ひねりのないクライム・ストーリーで物足りない。
ふたつの影 ヘレン・マクロイ 7.5 ゴシックロマン風の展開で読ませるが、人物像の書き込みが不十分なのが残念。
人は人情によって死ぬ 光瀬龍 4.0 救いのないつまらない話。
大きな期待 トマス・ウォルシュ 6.5 保険金搾取に巻き込まれた男を追う警察。ありふれた設定だが、それなりに読ませるのはさすがだ。
青い殺人 ラウール・ホイットフィールド 5.0 いささか古臭い定型B級ハードボイルド。
三銃士 ヴィクター・カニング 5.0 少しわかりにくい筋書きでスッキリしない。
真夜中の絞首刑 マイクル・フェッシャー 7.0 無罪を信じる所長は、死刑執行を止めようと必死に行動する。いささか決め手が弱いが面白く読める。
トラブルはわが影法師 第4部 旅路の果て ロス・マクドナルド 6.5 少し陳腐なスパイ物で、中盤もいささか退屈だが、ラストの意外性に救われた。
狂乱の20年代(めりけんホームラン物語) この偉大なるバンビーノ 大原寿人 ベーブ・ルースの一代記
隣の椅子(49) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一
紙上殺人現場(その三十六) 大井広介
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ 紅善人 (注)”ワイド”になった”ポケット”
ミステリ・ニュー・ウエィブ sin アメリカ出版界のミステリ
あなたにそっくり
東京三面鏡(32) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 勝呂忠
カット 小玉光雄
ページ 218ページ
定価 180円
  • (注)NET「名作推理劇場」と題したテレビ番組で、ハヤカワ・ポケット・ミステリの名作を1時間のテレビ・ワイド番組として登場させようという試みとのこと。第一回はアイリッシュの「幻の女」だったようです。
  • これで1962年は終了。次回にこの一年を総括します。