EQMM 1963/4 No.82

こんなにぱっとしない巻は久しぶりだな。

題名 作者 評点 コメント
獣の心 ジョン・ダラム 6.0 優等生を装う教え子と教師の葛藤は、特に意外な展開もなく終わってしまった。
写真屋と葬儀屋 ジェイムズ・ホールディング 6.0 殺し屋同士の殺し合い。ラストのオチは今ひとつ。
死をみるおとめ ロイド・ビッグル・ジュニア 5.0 陽気な娘の造形は面白かったのだが、陰鬱なラストはミスマッチだろう。
ぱんじいの味 ジョーン・リクター 5.0 暗示することはわかるが、効いていない。
誰かが悲しんでくれる タルミジ・パウエル 7.5 殺された女の身元をあたる二人組の刑事。ハードな男の人情には迫るものがある。パウエルって、こんなうまい作家だったのか。
カタをつけろ(2) フレデリック・ニーベル 5.5 タフな私立探偵物。ブラックマスクに載ったらしいが、後半が盛り上がらない。
いつでも夢を 石川喬司 5.0 この手のオチは現代では無理でしょう。
やどり木の下の殺人 マージェリー・アリンガム 2.0 ゴタゴタしていて筋が全く取れない。
キュー神父の決断 ノーマン・ダニエルズ 4.0 些細なことで悩む牧師の宗教臭い話。
完全なアリバイ パトリシア・ハイスミス 6.0 恋敵を射殺した男だったが、ひょんなことからアリバイが成立する。ラストが今ひとつ。
ビンゴ教授の嗅ぎ薬 レイモンド・チャンドラー 5.0 いわゆる透明人間物。中盤が少し長すぎて冗漫。
ギデオン警視と共に J・J・マリック、佐野洋、結城昌治、都筑道夫 対談
ミステリ如是我聞『美女とライオン』あるいは『読者への挑戦』 佐野洋
狂乱の20年代(めりけん粋人物語)ミスター・ニュー・ヨーク 大原寿人
隣の椅子(53) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一 ハドリイ・チェイスの「イヴ」について
紙上殺人現場(その四十) 大井広介
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ 刺片手 戦場のドラマ
ミステリ・ニュー・ウエィブ 犯罪実話の傑作「誘拐」
東京三面鏡(36) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 東君平
カット 金森達
ページ 218ページ
定価 180円
  • パウエルの一作を除いて、全く凡作揃い。これ以上コメントする気にはなれません。こんなEQMMはあまり記憶にないですね。次号からの巻き返しに期待しましょう。