EQMM 1963/7 No.85

巻末長編のつまらなさには参りました。

題名 作者 評点 コメント
ダフネ・デュ・モーリア 6.0 ヒッチコック映画化で有名な作品。襲い来る鳥の描写はさすがだが、何の結末も付けないのは如何なものか。「ゴジラが東京タワー倒しておしまい」ではまずいでしょ。
ふわふわちゃん シオドア・スタージョン 7.0 猫が喋るという発想とラストのオチが効いている。
駒鳥 ゴア・ヴィダル 4.0 よくわかりません。
くじ シャーリイ・ジャクスン 5.0 くじ引きのターゲットが何かという趣向なのだろうが、ミエミエでしょう。
小人 マルセル・エイメ 4.0 大きくなって役たたずになってしまった小人の話。つまらない。
百年目 三遊亭円生 6.0 圓生のこの演題は何回か聴いているが、まさかEQMMで読むことになるとは思わなかった。
犯罪統計学 ブライス・ウォルトン 4.0 殺人事件の調査を行っている学者が犯罪に走る、それだけの話。
スターリンを殺した男 スターリング・ノエル 1.0 あまりにつまらないので、途中でやめました。はじめての経験ですね。
ミステリ如是我聞『作家のトリック』あるいは『意外性』 佐野洋
あなたもミステリ作家になれる ホスト(ハーバート・ブリーン) ディレクタ(稲葉由紀) ゲスト(アントニー・バウチャー、 中島河太郎) 第一講 どんな種類の推理小説が受けるか?
狂乱の20年代(めりけん暴落物語)ウォール街に舞う紙屑 大原寿人
隣の椅子(56) 有馬頼義
マイ・スイン 丸谷才一
紙上殺人現場(その四十三) 大井広介 目次では162ページかrとなっているが、実際は62ページから。重箱の隅をつついてみました。
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ 弁圭司 テレビ番組あれこれ
マガジンパトロール sin クライムタウンUSA
ペーパー・チェイス TEN 異色の警察小説『生れついての犠牲者』
東京三面鏡(39) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 東君平
さし絵 真鍋博・金森馨・東君平
ページ 218ページ
定価 180円
  • この号では、スターリング・ノエルの「スターリンを殺した男」が100ページを占めているのですが、これが「どうしようもなくつまらない話」で、とても読み切れませんでした。ここまでの評価では、ハメットの「血の報酬」などの2.0が最低でしたが、これらはなんとか読み終えていますので、投げ出してしまったこの作品、評価は1.0。要するに最低の出来ですね。
  • 「異色短編特集」も今ひとつぱっとしません。スタージョンの話にニヤリとさせられる程度。
  • 新連載が3本。原書を紹介していた「ミステリ・ニュー・ウエィブ」が、「マガジンパトロール」と「ペーパー・チェイス」という形で、雑誌と書籍に分かれました。「あなたもミステリ作家になれる」は短期のようです。
  • 「第五回EQMMコンテスト」の<第二次審査通過作品>が発表されています。
    「作中人物」朝倉三郎、「警官こそ理想の夫」膳哲之助、「朝の常連」安永一郎、「決断の時」土英雄、「円空の蛇」和久一の五作品。和久は後の和久峻三ですね。
  • EQMM次号から007の連載が始まるようですが、これも読まされるのかと思うと気が重い(笑)。