EQMM 1963/12 No.90 EQMM処女作特集

中盤の作品が今一つで、盛り上がりません。

題名 作者 評点 コメント
ワーリイ先生の宿題 ウイリアム・オファレル 7.5 寝過ごした学生が巻き込まれる殺人事件。コミカルな語り口と展開が楽しい。
拝啓エラリイ・クイーン編集長さま マージ・ジャクスン 5.0 楽屋オチが今一つ決まらない。
株式市場の探偵 ジェームズ・M・アルマン 4.5 株の買い占めを調査する探偵。つまらないテレビドラマのような出来。
何を考えてらっしゃるの? ローレンス・カーク 5.0 青髭男は新た妻殺しを画策する。ラストがつまらない。
人を呪わば… ジェーン・スピード 6.0 離婚に応じない女を愛人は殺しに出向く。ちょっと意外な展開が面白いが、うまくまとめきれていない。
殺し屋 ジョルジュ・シムノン 7.0 犯罪者たちを監視するメグレと不審なポーランド人。シムノンの重苦しい展開は好みではないが、意外性もあって悪くない。
アンジェロの身代金 ヴィクター・カニング 5.0 誘拐を巡るドタバタ劇だが、あまり面白くない。
臆病者 ウイリアム・キャンベル・ゴールト 5.0 射撃の腕を買われた男は殺人依頼を受ける。ラストがよくわからない。
見はてぬ夢 バッド・シュールバーグ 6.0 ボクシング小説。かつての栄光にすがるボクサーはインテリの弟に賭けるが、現実は厳しかった。
どこに フレド・シャーウッド 5.0 見開きショートショート。思いつきだけ。
ウイリアム・アイリッシュ 7.0 隠遁した老人殺しで逮捕された男の冤罪を晴らすべく変わり者の刑事が動く。アイリッシュらしい展開だが、ラストが珍しくシニカルだ。
くたばれハードボイルド トーマ・ナルスジャック
ブラック・ダリヤ 朝村耕造 世界未解決事件簿1
切り裂くジャック 志摩隆 世界未解決事件簿2
ミステリ如是我聞『社会派不在』あるいは『レッテルの罪』 佐野洋
あなたもミステリ作家になれる ホスト(ハーバート・ブリーン) ディレクタ(稲葉由紀) ゲスト(B・フィッシャー、都筑道夫) 最終講 契約はどうするか
マイ・スイン 丸谷才一 最終回
紙上殺人現場(その四八) 大井広介
ミステリ・オン・ザ・ウエィブ 紅善人 名探偵・迷配役
マガジンパトロール O ロス・マクドナルドの新作「さむけ」
ペーパー・チェイス イヴァン・T・ロスの第四作目
特別料理(その四) 銀仮面 戸川昌子「猟人日記」。これも今回で終わりのようだ。
東京三面鏡(44) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
Silly talk 野暮な話(1)
表紙 東君平
カット 真鍋博・金森達・田中武紫
ページ 218ページ
定価 180円
  • 常盤新平編集長就任1年目の12月号。年を締めるにしては、いささか盛り上がりのない号でした。
  • 新編集長による再編の一貫として、連載エッセイの見直しを急いでいるようです。全くミステリと関係のなかった有馬頼義「隣の椅子」、丸谷才一の「マイ・スイン」、新聞記者ブームに乗っただけの青木雨彦「東京三面鏡」など、面白くなかったエッセイが軒並み終了。大変結構なことです。次号からは石川喬司の「極楽の鬼」が始まる模様。