EQMM 1964/11 No.101

平均以上の作品は揃っていましたが、巻末中編の出来がこれではね。

題名 作者 評点 コメント
獲物のL ローレンス・トリート 5.0 警察小説の老舗らしいが、あまり魅力を感じない
信じられない話 スティーヴン・バー 6.0 うまい話のはめられた男の話だが、オチが今ひとつしっくりこない。
針は鋭く ヒュー・ペンティコースト 7.5 浮気の仲介をしている男は夫人による巧妙な殺人現場を目撃する。ラストはさすがにうまい。
10セントの指輪 アーサー・ムーア 6.0 騙されそうになった二人組が、証拠の金を隠した場所が面白い。
拳銃の誇り レスリー・アーネンウィン 6.0 平凡なウエスタン物だが、後味は良い。
ミス・ウィザーズの復活 スチュアート・パーマー 6.0 ダンス教師の失踪事件を追うミス・ウィザーズ。謎がすっきりしない。
拳銃 エイヴラム・デイヴィッドスン 2.0 何というつまらない話。
さらわれた坊や ジョン&ウォード・ホーキンス 6.5 息子を誘拐された男は脱獄の片棒をかつぐことになる。勧善懲悪のストレートな話だが、悪くない。
裏切られて ジョン・D・マクドナルド 4.0 戦死したはずの夫が捕虜になっていると聞かされた妻は、裏切り行為を強制される。何の意外性もなく平板な展開にうんざり。
ハメットに脱帽 ジョン・ロス・マクドナルド
怒ったり悲しんだり 都筑道夫
トコという男(5) 山川方夫
極楽の鬼 石川喬司
紙上殺人現場 大井広介
わが翻訳ことはじめ 井上一夫
まんすりミステリ慢歩
ミステリ英雄の横顔 白岩義賢 軟派探偵シェル・スコット
マガジン・パトロール sin フレミング死す
ペーパー・チェイス 小鷹信光 アメリカのスパイ小説
探偵小説風物誌 中内正利
響きと怒り
表紙 勝呂忠
カット 勝呂忠・真鍋博・竹久不二彦・小島洋吉・田中武柴・杉村篤・新井苑子
ページ 202ページ
定価 190円

今号では、ホーキンスとジョン・D・マクドナルドの中編が売りなのでしょうが、後者の出来が今一つで尻すぼみに終わってしまいました。
その中で、ヒュー・ペンティコーストは、何を書いても読ませる作家。今回も期待を裏切りませんでした。