EQMM 1965/7 No.110 創刊10周年記念特大号

出来の悪い作品ばかりでうんざり。これが10周年記念号とは情けなくなる。

題名 作者 評点 コメント
007号/ベルリンの脱出 イアン・フレミング 3.0 007もこれで終わり。
天才のタッチ ヴィクター・カニング 7.0 相変わらず楽しいミネルヴァ・クラブシリーズ。
ねものがたり ロバート・L・フィッシュ 5.0 娘に話を聞かせる父親。オチがよくわからない。
怪談O嬢物語 エスター・ワグナー 4.0 寄宿させた奇妙な娘をめぐる話なのだが、よくわからない展開にうんざり。
野球に連れてって マイクル・アヴァロン 7.0 2ページの掌篇。予想は着くがオチが笑わせる。
いい人はザラにはいない フラナリー・オコナー 2.0 旅行の途中で襲われた一家。こんな残酷な話を載せてどうする。品位を疑う。
ミスタ・ビッグへの贈りもの フランク・ケーン 4.0 ジョニー・リデル物。この作家にしてはあまりにいい加減な展開。
嵐の中の娘 ジェイムズ・M・ケイン 3.0 嵐の中に出会った男女のつまらない話。
信用第一 リチャード・デミング 6.5 知人の女房殺しを請け負った男。題名が効いている。
ある女の兇器 土井稔 3.0 何というつまらない出来。
スパイは醜悪に死ぬ 前篇 スターリング・ノエル
ジェイムズ・ボンド白書1 007号の女たち O・F・スネリング
柄にもないこと 佐野洋
十年相立申候 都筑道夫
夢の中の夢 稲葉明雄
進化した猿たち 星新一 死刑を楽しく(その一)
戦後推理小説裏面史(1) 大西順行
EQMM5番館 大伴昌司
名探偵は誰か? 萩原閑子
極楽の鬼 石川喬司
紙上殺人現場 大井広介
探偵小説風物誌 中内正利
陪審席
響きと怒り
表紙 勝呂忠
カット 勝呂忠・杉村篤・高野鉱造・金森達・新井苑子・伊藤誠一
ページ 250ページ
定価 250円
  • 10周年記念号ということですから、それなりの作品揃いだろうと期待したのですが、これがなんともひどい作品ばかり、うんざりを通り越して呆れ返りました。3.0をつけた作品が3つ、4.0が2つ、ダメ押しの2.0が1つ。こんなひどいEQMMはこれまでなかったなあ。
  • EQMMコンテスト受賞の土井稔も、こんな第2作ではどうしようもない。審査員も後悔しているでしょう。
  • あとは長編分載でページと値段を水増しという始末。
  • この号から星新一の「進化した猿たち」の連載が開始。EQMMの時代から始まっていたとは知りませんでした。これが唯一の救いでしょうか。