EQMM 1965/11 No.114

相変わらず冴えない作品揃いで、停滞が顕著ですね。

題名 作者 評点 コメント
プロメシュース計画 マイケル・ギルバート 7.0 諜報作戦に赴く男は精神に異常をきたしているようだったのだが..。ちょっとした意外性と登場する犬がいい味を出している。
完全犯罪のための完全な時 エドワード・D・ホック 7.0 完全犯罪の存在について議論する二人。男は半年以内に実行すると言う。ラストのオチが良い。
呪われたタイプライター ジェラルド・カーシュ 5.0 酔いどれ記者のタイプライターにいたずらした男は、その死後文章の解読に着手する。結末が今ひとつ。
微笑がいっぱい リング・ラードナー 5.0 女性暴走ドライバーは印象に残るが、オチがわからん。
お茶と唇のあいだ ジュリアン・シモンズ 4.0 宝石泥棒グループの顛末なのだが、長いだけで退屈。
狩猟ナイフ レフ・シェイニン 5.0 ソビエト製ミステリという点が珍しいだけ。
単純な裁き チャールズ・ノーマン 3.0 つまらない話。
ゲームのルール カイル・モンゴメリイ 5.0 殺人ゲームを楽しむ兄妹。面白い設定なのに、ラストが決まらない。
ロイド・ビッグル・ジュニア 5.5 犯人を決定する”鍵”がうまくない。
初めての殺人 ウイリアム・フェイ 6.0 強盗犯を射殺し、その正否に疑心暗鬼となったた刑事は、男の正体を探る。悪くない出来。
メグレと若い女の死(3) 最終回 ジョルジュ・シムノン 3.0 全く盛り上がりのないつまらない話。
わが回想 E・S・ガードナー
ジェイムズ・ボンド白書(5) 007号の敵たち O・F・スネリング
秘密結社の手帖 澁澤龍彦 犯罪的および異端宗教的結社
進化した猿たち(5) 星新一 番号の男たち(下)
戦後推理小説裏面史(5) 大西順行 江戸川乱歩追悼
EQMM5番館 大伴昌司
現場 梅田秀俊
名探偵は誰か? 萩原閑子
極楽の鬼 石川喬司
紙上殺人現場 大井広介
探偵小説風物誌 中内正利
陪審席
響きと怒り
表紙 勝呂忠
カット 勝呂忠・真鍋博・杉村篤・金森達・新井苑子・高羽賢一・伊藤誠一
ページ 202ページ
定価 190円

EQMMも残り2冊ですが、1965年に入ってから、読み切るのに苦労する号が続いています。今号は前半の2作が悪くなかったので、後続にも期待したのですが、残念ながら軒並み低調。
短篇のレベルもそうなのですが、今回はシムノンの長編連載分を読み通さざるえなかったため、苦労が倍増した感があります。この作品、ストーリーがつまらないうえに翻訳がおかしい。日本語になっていないような表現が散見、うんざりしました。