HMM 1966/2 No.117

中盤の作品にうんざりさせられましたが、後半盛り返しました。

題名 作者 評点 コメント
隣りの人 ポーリン・C・スミス 6.5 オチは検討はつくものの、うまくまとめている。
傍観者 オリヴァー・ラ・ファージ 4.0 ギャングに拉致された男。救いのない話だな。
過去のある花嫁 フランク・グルーバー 6.5 新婦は過去に何人もの夫を殺した女だという話を聞かされた男。快調に進むのだが、ラストが今ひとつ。
道化役者のパンチネーロ ロバート・パッサーノ 2.0 タクシー強盗の末路を描いた話なのだが、なんともつまらない。こんな作品よく載せるなあ。
少女スパイ、モリー ディック・アッシュポー 3.0 これまたつまらない話。ミステリを読ませろよ。
深夜勤務 ジョナサン・クレイグ 5.0 「分署シリーズ1」という副題あり。なんのひねりもない展開で、シリーズ化されても大きな期待はできそうにない。
微笑む人びと レイ・ブラッドベリ 5.0 男のモノローグを中心とした幻想的な話だが、結末は予想通り。
ひとの女房に手をだすな! ジェローム・バリィ 6.0 「表題のような電話」を受けた男は調査に乗り出す。平凡な展開。
夜間工事 土井稔 7.5 よく出来たショートショート。死体を工事現場に埋めようと考えた男だったが..。ラストの一言が効いている。
殺しの初演 フレドリック・ブラウン 7.5 劇中の殺人事件。空砲を実弾に替えたのは誰か。謎は平凡だが、後味もよく読ませる。
ほら、死んでいる ジョン・D・マクドナルド 6.5 この作者にしては珍しい本格物。
ベルリンの葬送2 レン・デイトン
アメリカーうらおもて 小鷹信光
進化した猿たち 星新一
地獄の仏 石川喬司
紙上殺人現場 大井広介
戦後推理小説裏面史(7) 大西順行
現代アメリカの風物 中内正利
hmm5番館 大伴昌司
新着書紹介
響きと怒り
巣食われた男 梅田秀俊
表紙 高羽賢一
目次・扉 真鍋博
カット 勝呂忠・真鍋博・杉村篤・杉村篤・新井苑子・金森達・池田拓・高羽賢一
ページ 202ページ
定価 190円

HMMの第2号。
全く知らない無名作家と有名作家という組み合わせの号でしたが、結局、読ませてくれたのは、フランク・グルーバー、フレドリック・ブラウンという有名どころ。まあ、仕方がないですね。
その中で、土井稔の「夜間工事」がなかなかの出来。3ページほどのショートショートですが、よく出来ています。EQMMコンテスト受賞作を含め、あまり評価できなかった作家ですが、この作品は悪くありません。
前号からの連載は、レン・デイトンの「ベルリンの葬送」。スパイ小説は大嫌いなので、読む気になれません。連載物はスキップしようかなあ。