HMM 1966/5 No.120

前半好調も後半はがっかり。「ニューヨーカー特集」はよくわからん。

題名 作者 評点 コメント
池に映る影 アーシュラ・カーティス 7.5 妻を殺し池に沈めた男は疑惑に耐えるのだが..。ストーリーに緊迫感があり、ラストもなかなか面白い。
家路 ジェイム・サンダヴァル 7.0 夫の愛人と妻の葛藤の末をうまく描いている。余韻が残るラストもよい。
巻貝 レイ・ブラッドベリ 6.0 巻き貝から聞こえる海に引き込まれる少年。幻想譚である。
自殺ホテル アンドレ・モーロワ 5.0 すべてを失った男は自殺幇助クラブに出向くが。オチが今ひとつ。
早死した父 フレッチャー・フローラ 7.0 嫌われていた父の死に疑問を持つ息子。ラストは予想できるが読ませる。
自然の調和 エイヴラム・デイヴィッドスン 5.0 趣向は悪くないが、まとまりが良くない。
憩の館 リング・ラードナー 5.0 おせっかいな夫婦に招待された音楽家。イライラする話で爽快感がない。
過去から来た男 ジョナサン・クレイグ 5.0 相変わらずなんのひねりもない展開。主人公も魅力に乏しくシリーズ物の良さを感じない。
離婚の季節 ジョン・チーヴァー 4.0 つきまとう医師に心が揺れる妻。焦燥感に駆られる夫。結局何もないという結末。よくわからん。
河を渡って木立をぬけて ジョン・オハラ 3.0 この小説、どこが面白いのかわからない。
ドライ・ロック アーウィン・ショウ 6.0 タクシー事故にまつわる人間劇。皮肉な結末はうまい。
馬に乗った水夫2 アーヴィング・ストーン
ベルリンの葬送5 最終回 レン・デイトン
進化した猿たち 星新一
地獄の仏 石川喬司
紙上殺人現場 大井広介
現代アメリカの風物 中内正利
hmm5番館 大伴昌司
戦後推理小説裏面史(10) 大西順行
ノンフィクションガイド 青木雨彦
ミステリ名簿 大伴昌司 中内正利
新着書紹介
アメリカーうらおもて 小鷹信光
私の好きなベスト5 生島治郎
響きと怒り
お前にだけ話そう 梅田秀俊
表紙 高羽賢一
目次・扉 真鍋博
カット 勝呂忠・真鍋博・杉村篤・新井苑子・金森達・上矢津・竹久不二彦
ページ 202ページ
定価 190円

前半は前号からの好調さが続いていたのですが、中盤の作品から停滞。後半三作は「ニューヨーカー特集」とのことですが、どれもピンとこない作品ばかり。残念ながら、盛り上がらない結果となりました。まあ、わたしの感性が都会的ではないのでしょう。
この号に限ったことではありませんが、いわゆるミステリ味のある作品はほとんどなく、クライムストーリイばかり。このあたりにいささかうんざり、というのが正直な感想です。

なお、長編連載は読まないことにしました。スパイ小説に興味はないし、先を急ぎたいので。