HMM 1966/6 No.121

ラードナー以外、低調な作品ばかりでうんざりしました。

題名 作者 評点 コメント
ヒロイン パトリシア・ハイスミス 5.0 献身的に奉公する女中。ニューロティックな展開は後味が良くない。
袋の水 アーサー・ポージス 5.0 落下した水袋での不審死を科学者が解くのだが、謎解きがよくわからない。
墓石 レイ・ブラッドベリ 4.0 墓石のおいてある部屋に泊まった夫婦。ラストはピンとこない。
町が待っている ジョゼフ・ホワイトヒル 2.0 ゴタゴタしていてとても読める話ではない。
シモーヌ ジョーン・ヴァツェク 6.0 若妻シモーヌに惹かれた男の悲しい末路。
水死人 ジョナサン・クレイグ 5.0 相変わらずなんのひねりもない捜査物。
輝く断片 シオドア・スタージョン 3.0 気持ちの悪い変態小説を長々と読まされる身になってほしい。
この話、もう聞かせたかね リング・ラードナー 6.5 最後にクスリと笑わせるストーリー。
馬に乗った水夫3 アーヴィング・ストーン
死との契約1 スティーヴン・ベッカー
進化した猿たち 星新一
地獄の仏 石川喬司
紙上殺人現場 大井広介
現代アメリカの風物 中内正利
hmm5番館 大伴昌司
戦後推理小説裏面史(11) 大西順行
ノンフィクションガイド 青木雨彦
私の好きなベスト5 中島河太郎
ミステリ名簿 大伴昌司
新着書紹介
アメリカーうらおもて 小鷹信光
響きと怒り
助かった男 梅田秀俊
表紙 高羽賢一
目次・扉 真鍋博
カット 勝呂忠・真鍋博・杉村篤・新井苑子・金森達・池田拓
ページ 202ページ
定価 190円

今号は見るべき作品がほとんどなし。
ミステリらしさが見られるのはジョナサン・クレイグ「水死人」だけなのですが、この分署シリーズ、捜査が淡々と進むだけで、なんのひねりもなく終わってしまい、毎回味気ないことこの上もない。後は、長々とつまらないジョゼフ・ホワイトヒル「町が待っている」、ただ気持ちが悪いだけのシオドア・スタージョン「輝く断片」と読むに耐えないレベルもあり、うんざりしました。
最後にようやく、リング・ラードナー「この話、もう聞かせたかね」ですこし気を取り直した次第です。