HMM 1966/10 No.126

これくらいのクォリティを毎号維持してほしいものです。

題名 作者 評点 コメント
ジェリコといやがらせ ヒュー・ペンティコースト 7.5 わざと絡んできた男の陰謀を見流さないジェリコ。短い作品だがよくできている。
死んだ男 レイ・ブラッドベリ 5.0 変な男と知恵遅れの女。不思議な作品。
仕事は寝ているうちにやれ ピーター・チェイニイ 7.0 宝石泥棒を持ちかけられた男はその裏をかく。予想通りの展開だが楽しく読める。
世にも恐ろしきは マージョリー・リデル 3.0 つまらない世間話が長すぎて、オチが決まらない。
バンクォーの幽霊 リリアン・デ・ラ・トーレ 7.5 マクベス劇中の殺人事件をサミュエル・ジョンソン博士が解く歴史物。やはり本格物は良い。
会議中 リング・ラードナー 6.0 無駄話ばかりの重役会議が笑わせる。
レノックス・ロビンスン 6.5 孤独な男と奇妙な女の出会い。ラストが印象に残る。
ギャングの休日 W・R・バーネット 2.0 なんというつまらん話。
C12銀行強盗特別捜査班 マイケル・ギルバート 6.0 銀行強盗団を追求する捜査陣。展開は平板でひねりも意外性もないが、後味が良いのが救い。
原爆を盗んだ男 アラン・ムーアヘッド
馬に乗った水夫7 アーヴィング・ストーン
進化した猿たち 星新一
地獄の仏 石川喬司
紙上殺人現場 大井広介
現代のアメリカ風物 中内正則
私の好きなベスト5 三輪秀彦
翻訳権今昔20年(3) 宮田昇
hmm5番館 大伴昌司
新着書紹介
現代アメリカの風物 中内正利
ミステリ名簿 大伴昌司 石川喬司
響きと怒り
とげをぬく 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
カット 勝呂忠・真鍋博・杉村篤・新井苑子・金森達・池田拓
ページ 202ページ
定価 200円

このところ低調なHMMですが、今後は巻頭のペンティコースト、チェイニイと佳作が続きホッとしました。中盤のトーレ「バンクォーの幽霊」は、ジェームズ・ボズウェルの『サミュエル・ジョンソン伝』を下敷きにしたものですが、これもなかなか読ませる本格歴史ミステリ。シェイクスピアの知識があれば、より面白かったのでしょうが、いかんせん教養不足。巻末はギルバート、ストーリー展開にいまひとつ盛り上がりに乏しいのは残念でしたが、悪くはありません。当たり前の話ですが、知名度のある作家はさすがに読ませてくれます。