HMM 1967/2 No.130

ハードボイルド特集の特大号。チャンドラーとグルーバーで納得しましょう。

題名 作者 評点 コメント
特ダネは鼻で リチャード・セイル 6.0 なんとも都合の良い展開に笑ってしまうが、それなりの読ませる。。
どうしてあたしが嫌いなの L・E・ビーニイ 4.5 面白くないのに時々掲載される「村の物語」。もうやめてほしいものです。
犯罪組織課 ペイオフ エラリイ・クイーン 4.0 例によって言葉遊びパズル。
鷲の断崖 フランク・グルーバー 7.5 「人間百科事典」クェイド物。山荘で起こった殺人事件とそこに押し込んできた脱獄犯。いつものように楽しく読めます。
サイン蒐集狂 ノーバート・デイヴィス 4.0 複雑な筋書きを詰め込み過ぎで話の焦点が絞れない。
われらの時代 ロバート・ブロック 8.0 タイムカプセルの作成に熱中する夫。彼から逃亡するつもりだった妻が見たものは..。ラストが決まっている。
雨の殺人者 レイモンド・チャンドラー 6.5 人物の書き分けはうまいが、謎は今ひとつ。
ザホフ対07 アンドレイ・グリャシキ 2.0 つまらない007のパロディ。読み通すのも一苦労だ。
馬に乗った水夫11 アーヴィング・ストーン
回想のハメット リリアン・ヘルマン
マーロウ誕生の前夜 稲葉明雄
ベルが鳴っている 福田淳
序文学(イントロダクトロジー) 小鷹信光
進化した猿たち 星新一
地獄の仏 石川喬司
私の好きなベスト5 三好徹
ミステリ診察室
ノンフィクションガイド 青木雨彦
当世ミステリ馬鹿
海外ミステリ消息
響きと怒り
これでオレの過去はぜんぶ死んだ 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
イラスト 真鍋博・新井苑子・杉村篤・金森達・池田拓・伊藤直樹
ページ 250ページ
定価 280円

巻頭言で「ヒッチコックマガジン」と特約を結んだことが報告されています。また、「私達のひそかなねがいは、(中略)みなさんをアッといわせる本格物を掲載することです。(中略)この一年でいい探偵小説で勝負したいと思っています。」とのこと。

その意気込みや良しというところですが、今号はハードボイルド特集で50ページ増、定価80円増しの特大号。その巻末40ページ以上をアンドレイ・グリャシキという作家が占めており、これが特大号となった所以ですが、この作品で80円増となっていては、当時の読者は納得しなかったでしょうね。