HMM 1967/4 No.132

リッチーの作品に脱帽。加えてエリンの中編が読めれば文句はありません。

題名 作者 評点 コメント
素晴らしき葬儀 ラッセル・ブリッグス 4.0 つまらないオチ。
XX-2事件 ジュリアン・シモンズ 6.5 重要書類盗難事件を依頼された探偵。論理的な展開は面白い。
わが接吻する者は・・・ ジュディス・オニール 6.0 恋人だった反逆者を見つけに出向く女性。事前に伏線を張っておくべきでした。
赤いひる オーガスト・ダーレス 6.0 ソーラー・ポンズ物。過去の因縁話というのはホームズテイスト。うまく模作している。
男がやらねばならぬこと ローレンス・ブロック 7.0 一つの殺人がギャングの抗争に発展。ラストは道徳的ではないが痛快。
六ペンスの冒険 ジョン・バカン 5.0 時代遅れの活劇物。
殺人課 半分の手懸り エラリイ・クイーン 5.0 相変わらず解決不能なパズル。
遊園地 レイ・ブラッドベリ 5.0 不気味な遊園地に取り込まれてしまう男。よくわからん。
ダイヤのグラン・プリ グリン・クローディス 5.5 面白くなりそうな話なのだが、展開がごたついているのが残念。
日当22セント ジャック・リッチー 8.5 証人の偽証で4年間ムショ暮らしの男が釈放される。お礼参りを恐れる関係者は手を尽くすのだが..。話の展開からラストのオチまでよくできている。
保養旅行 リング・ラードナー 4.0 長々とつまらない話を聞かされた。
12番目の彫像 スタンリイ・エリン 7.0 貪欲で少女趣味のプロデューサーが撮影現場から失踪してしまう。結末はありきたりだが面白く読める。
馬に乗った水夫13 アーヴィング・ストーン
青列車は13回停る 第二話 ディジョン 最初の手紙 ボアロー&ナルスジャック
ベルが鳴っている 福田淳
序文学(3) - 女は魔物か? - 小鷹信光
進化した猿たち 星新一
地獄の仏 石川喬司
私の好きなベスト5 高橋泰邦
ミステリ診察室
翻訳権今昔20年(8) 宮田昇
ノンフィクションガイド 青木雨彦
名作ダイジェスト
«当世ミステリ馬鹿»を糺す 田中小実昌
海外ミステリ消息
響きと怒り
ミステリ駒漫画 女は育っていった 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
イラスト 勝呂忠・真鍋博・金森達・新井苑子・杉村篤・池田拓・伊藤直樹
ページ 202ページ
定価 200円

2月号の巻頭言でヒッチコック・マガジンと特約を結ぶと予告されていましたが、今号で「アルフレッド・ヒッチコック・ミステリ・マガジン特集」が実現しています。ブリッグス、ダーレス、リッチー、クローディス、ブロックの5篇ですが、この中ではリッチーの作品が出色の出来でした。この作家、近年日本でも数冊短編集がまとめられ評価されていますが、本編も見事な出来。ヒッチコック・マガジンといえば、ヘンリー・スレッサーのイメージが強いですが、リッチーのほうが作品レベルが高い気がします。それと並んで、巻末はスタンリイ・エリンの中編。さすがに読ませてくれます。