HMM 1967/6 No.134

特集は今ひとつでしたが、ヤッフェとウールリッチがあれば満足です。

題名 作者 評点 コメント
木馬を駆る少年 D・H・ローレンス 7.5 不思議な霊感で勝馬を当てる少年。母への思いが哀しい。
殺人即興曲 ヘレン・マクロイ 7.0 小品だがちょっとした伝達方法が面白い。
夕映えの海辺にて ジョゼフ・マシューソン 6.5 父親と双子の息子との葛藤。少しゴタゴタしている。
写真 ナイジェル・ニール 4.0 オチがわかりません。
公平でなくっちゃ ジェーン・スピード 6.0 隣りに住む不仲な夫婦を観察する少女。題名が効いている。
蠅の偶像 ジェイン・ライス 2.0 何というつまらん話。
相続課 最後に死ぬ者 エラリイ・クイーン 5.0 今回は少しましなパズル。
ママと呪いのミンク・コート ジェイムズ・ヤッフェ 7.0 呪いのミンクの謎を解決するブロンクスのママ。やはり本格短編シリーズ物は楽しい。
月曜日は静かな場所 マージョリ・カールトン 2.0 長々とつまらない話。
バスで帰ろう コーネル・ウールリッチ 7.0 都合良すぎる展開だが、ハッピーエンドは悪くない。
怪船マジック・クリスチャン号1 テリー・サザーン
青列車は13回停る… 第四話 モンテカルロ 危険な夫 ボアロー&ナルスジャック
馬に乗った水夫15 アーヴィング・ストーン
ベルが鳴っている 福田淳
序文学(5) 非行少年犯罪小説論 小鷹信光
地獄の仏 石川喬司
私の好きなベスト5 片岡義男
ミステリ診察室
翻訳権今昔20年(10) 宮田昇
ノンフィクションガイド 青木雨彦
著者と立ち話 『メンズ・マガジン入門』の小鷹信光氏
名作ダイジェスト 身代わり(ドロシー・B・ヒューズ)
海外ミステリ消息
響きと怒り
ミステリー駒漫画 これは悪性のイボです 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
イラスト 勝呂忠・真鍋博・杉村篤・新井苑子・金森達・池田拓
ページ 202ページ
定価 200円

特集<奇妙な子供たち>」ということでしたが、D・H・ローレンス「木馬を駆る少年」以外、大した作品はありませんでした。しかし、ヤッフェのママ物、ウールリッチの中編が読めれば満足。後者は「暁の死線」の原型のようで、展開が急すぎるきらいはありますが、読者を退屈させないのはさすが。このところのHMMは、なかなか読み応えがあるので、このまま進んでいってほしいものです。