HMM 1967/10 No.138

「エドガーズ受賞作家」のラインアップは見事だが、掲載作品レベルはそれに見合わない。

題名 作者 評点 コメント
ママは賭ける ジェイムズ・ヤッフェ 6.0 いつも楽しいママシリーズだが、今回の謎解きは今ひとつ。
ロンドンでお買物 リース・デイヴィス 2.0 ストーリーもオチもまったくつまらない。
マンゴーの樹の下で エド・レイシイ 2.0 カジノ襲撃の話だが、ひどい出来で読むに耐えない。
わが子帰る ミリアム・アレン・ディフォード 7.0 15年ぶりに帰ってきた勘当息子は殺人犯なのか。ラストは少しわかってしまうが、悪くない。
ベンツに乗った商人 ジョン・ル・カレ 4.0 東ドイツから脱出を図る話だが、面白くない。
揺籃 シリア・フレムリン 4.0 ひとりよがりの展開にうんざり。
贋のロケット エリック・アンブラー 5.0 チサール博士物の小品。一方的に謎を解くだけで味気ない。
ホールド・アップのH ローレンス・トリート 6.0 ミッチ・ティラー刑事物。ラストがスッキリしない。
アデルフィの壺 ハリイ・ケメルマン 5.0 この推論には無理がありすぎる。
特殊技能 シオドア・スタージョン 2.0 ストーリーがよくわからない。
殺人準備完了 リチャード・M・スターン 4.0 殺人現場を目撃した男は警察と組織から追われることになる。平凡な展開で面白くない。
怪船マジック・クリスチャン号5-6 テリー・サザーン
名誉ある社会2 ノーマン・ルイス
MWA授賞式パーティの夜 青木秀夫
アメリカ探偵作家クラブの内幕 小鷹信光
影の会のこと(上) 塔晶夫
ベルが鳴っている 福田淳
地獄の仏 石川喬司
私の好きなベスト5 井上一夫 007号シリーズ
ミステリ診察室 ある種の怒り エリック・アンブラー
ノンフィクションガイド 青木雨彦
著者と立ち話 『ローズマリーの赤ちゃん』の高橋泰邦氏
名作ダイジェスト 摩り替えられた殺人者 スティーブン・ランサム
海外ミステリ消息
響きと怒り
ミステリ駒漫画 地平線決壊す! 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
イラスト 勝呂忠・真鍋博・金森達・新井苑子・池田拓・杉村篤・伊藤直樹・岩渕慶造・田中文雄
ページ 202ページ
定価 200円

「エドガーズ受賞作家特集」ということで、ビッグネーム揃いのラインアップは見事ですが、その内容は期待はずれ。コメントしたくなる作品が皆無なのは情けない。