HMM 1967/12 No.140
「クラシック・マガジン特集」らしいですが、内容まで古臭いのは困りもの。
題名 | 作者 | 評点 | コメント |
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ママはなんでも知っている | ジェイムズ・ヤッフェ | 5.0 | 楽しみなブロンクスのママ物だが、今回の謎はあまり面白くない。 |
監視者 | レイ・ブラッドベリ | 4.0 | 病的に虫嫌いの男の末路。古臭い話だ。 |
怪盗エナメル小僧 | E・S・ガードナー | 6.0 | 怪盗が悪党を引っ掛けるありがちな展開だが、爽快感が今ひとつ。 |
史上最大の誘拐 | スティーヴ・エィプリル | 4.0 | ぱっとしないホラ話。 |
街路 | アラン・シーガー | 3.0 | つまらない。 |
保釈金はダイヤだ | ジェイムズ・ロースン | 4.0 | 時代遅れの活劇物。 |
ウィンター・キル | フレデリック・ニーベル | 5.0 | 定型的な二流ハードボイルド。 |
記憶バンク | エイヴラム・デイヴィッドスン | 6.5 | 退職勧告された男はとんでもない記憶を持っていた。彼の逆襲がみょうにおかしい。 |
第三の銃弾 後篇 | ジョン・ディクスン・カー | ||
パルプ小説の生命と時代1 | フランク・グルーバー | ||
怪船マジック・クリスチャン号9 | テリー・サザーン | ||
幻の<ウェイアード・テールズ> | 青木秀夫 | ||
想い出の<ヴァニティ・フェア> | 大原寿人 | ||
ベルが鳴っている | 福田淳 | ||
地獄の仏 | 石川喬司 | ||
私の好きなベスト5 | 伊東守男 | 冒険ミステリ | |
影の会のこと(下) | 塔晶夫 | ||
ミステリ診察室 | 「31階」ペール・ヴァールー | ||
ノンフィクションガイド | 青木雨彦 | ||
群小ギャングの虚実皮膜論 | ー映画「俺たちに明日はない」ー | ||
訳者と立ち話 | 『年上の女を讃える』の矢野浩三郎氏 | ||
海外ミステリ消息 | |||
響きと怒り | |||
ミステリ駒漫画 ぬけ穴 | 梅田秀俊 | ||
表紙 表紙の言葉 | 真鍋博 | ||
目次・扉 | 真鍋博 | ||
イラスト | 真鍋博・金森達・新井苑子・池田拓・杉村篤・伊藤直樹・岩渕慶造・福与篤 | ||
ページ | 202ページ | ||
定価 | 200円 |
今号は「幻のクラシック・マガジン」特集。残念ながら、経年劣化が著しい作品揃いで盛り上がりませんでした。その中にあって、さすがガードナー。現在でも読ませるクォリティを保っています。「怪盗エナメル小僧」という邦題には笑ってしまうけど。青木秀夫の訳でした。
巻頭はこのところレギューラーとして定着しているヤッフェの「ママシリーズ」ですが、今回の出来は今ひとつで残念。
さて、前月号から2回に渡って掲載されたジョン・ディクスン・カーの「第三の銃弾」ですが、この作品はその後ハヤカワポケットミステリで出版されることはなく、3年後の1970年に創元推理文庫の「カー短編集2」に収録されました。 蛇足ですが、この短編集は、わたしがカーファンになったきっかけとなった一冊でもあります。巻頭にあった「妖魔の森の家」の影響が大きかったのでしょうけど。なお、ここで翻訳された本作は、EQMM掲載時にダネイによってアブリッジされた作品だったようで、その後オリジナルが<完全版>として、2001年に早川ミステリ文庫で翻訳されています。