HMM 1968/3 No.143

デミングとワトソンが読ませます。秀作が二編あれば満足です。

題名 作者 評点 コメント
わがアメリカ ジェイコブ・ヘイ 4.0 時代遅れの反共プロパガンダ
スポイラーズ ジョナサン・クレイグ 6.0 オーソドックスな警察物で好感が持てる。
アリバイのA ローレンス・トリート 5.0 修正不能の時計を利用したトリックなのだが、解決はお粗末。
ミス・フィップスと鶏料理 フィリス・ベントレー 4.0 最近よく掲載されるシリーズだが、話の進め方が下手で小説としてつまらない。
正確無比な時計 コリン・ワトスン 8.0 正確無比だった時計が狂い出した謎を何か。ラストの一行の暗示がうまい。
暁の女神 レスリー・チャータリス 6.0 不思議な夢物語。それでも読ませるのはさすがだ。
色は匂えど リチャード・デミング 8.0 浮気女殺人事件を追う二人の刑事。一人は夫である。ラストのひねりが良く出来ている。
鳥之将死… エドワード・D・ホック 4.0 スパイのランド物。全く面白くない。
猫のくろ リリアン・J・ブラウン 5.0 暴君の夫と猫を飼う妻。盛り上がらない。
メグレと無愛想な刑事と殺し屋たち 前篇 ジョルジュ・シムノン
怪船マジック・クリスチャン号12 テリー・サザーン
警察小説とその周辺1 小鷹信光 名探偵警官とアメリカにおける警察小説の先駆者
五番街日記 常盤新平 ジョーン・カーン氏に会う
みすてり鳥瞰図 福田淳
地獄の仏 石川喬司
私の好きなベスト5 加島祥造 87分署の季節
ミステリ診察室 「獲物」ロバート・L・パイク
ノンフィクションガイド 青木雨彦
ミステリ鬼検事
海外ミステリ消息
響きと怒り
3月号登場作家便覧
ミステリ一駒漫画 戦いとは徹底するコトとおぼえたり 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
イラスト 真鍋博・勝呂忠・金森達・新井苑子・池田拓・伊藤直樹。岩渕慶造
ページ 202ページ
定価 200円

今月は「警察小説特集」。クレイグ、トリート、デミングの三作ですが、その中ではデミングの「色は匂えど」がよく出来ていました。ラストで2回ひねるところがうまい。やはりミステリは読者の意表を突き意外性がないと面白くありません。
その他の作品では、コリン・ワトスン「正確無比な時計」が読ませます。下記の「みすてり鬼検事」で支持されなかったのはなぜでしょう。

2ヶ月後の「みすてり鬼検事(読者が選ぶ今月のベスト5)」の結果は以下のとおり。

1.色は匂えど                       2.46  
2.メグレと無愛想な刑事と殺し屋たち     2.33  
3.暁の女神                         2.26  
4.わがアメリカ                      2.10  
5.アリバイのA                       1.23  
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