HMM 1968/6 No.146

「ミステリを読ませろ」と言いたくなる、つまらん話ばかりでうんざりでしたが、最後のガードナーに救われました。
題名 | 作者 | 評点 | コメント |
---|---|---|---|
ゴルフのある人生 | ロバート・J・ティリー | 6.5 | ゴルフ狂の殺人動機にいささか同情する。 |
ナイフのK | ローレンス・トリート | 7.0 | ミッチ・テーラー物。短い作品だが、よく考えられている。 |
アメリカ思想の主潮 | アーウィン・ショウ | 2.0 | これのどこが面白いんだ。 |
ジレンスキー女史とフィンランド国王 | カースン・マッカラーズ | 3.0 | 何を書きたいのだかわからん。 |
元旦の悲劇 | リリアン・J・ブラウン | 5.0 | おせっかいな中年女が殺人を見抜くというだけの話。 |
苦い毒草 | フローレンス・V・メイベリ | 2.0 | 支離滅裂な作品。この作家、正気なのか。訳す方もどうかしている。 |
ふるさと遠く | ウォルター・S・テヴィス | 3.0 | つまらないショートショート。 |
ミンドロからきた手紙 | アラン・K・ヤング | 5.0 | 英文解釈が日本人には理解できない。翻訳するのは無理がある。 |
雪のなかの愛 | ジョーエル・セイヤー | 5.0 | 切ない恋愛小説。HMMで読む話ではない。 |
コレット | ウラディミール・ナボコフ | 3.0 | つまらない。 |
賭屋商売 | リチャード・カーティス | 5.0 | 公爵夫妻の離婚を賭けの対象にするのだが..。結末は予想通り。 |
宝石の蝶 | E・S・ガードナー | 7.0 | さすがガードナー。ミステリとしては大したことはないが、楽しく読めます。 |
怪船マジック・クリスチャン号14 最終回 | テリー・サザーン | ||
ロスと『ニューヨーカー』 | アレン・チャーチル | ||
評論家の姿勢 | 三好徹 | ||
梅田秀俊 誌上漫画傑作選 | 梅田秀俊 | ||
脅迫された世界 | 草森紳一 | ||
警察小説とその周辺4 | 小鷹信光 | ||
みすてり鳥瞰図 | 福田淳 | ||
地獄の仏 | 石川喬司 | ||
ミステリ診察室 | 「死のハネムーン」ローレンス・ブロック | ||
ノンフィクションガイド 事実は小説よりつまらない | 青木雨彦 | ||
ミステリ鬼検事 | |||
海外ミステリ消息 | |||
響きと怒り | |||
ミステリ一駒漫画 『殺害偽装』『ついに居住権争いが表面化した』 | 梅田秀俊 | ||
表紙 表紙の言葉 | 真鍋博 | ||
目次・扉 | 真鍋博 | ||
イラスト | 真鍋博・勝呂忠・金森達・新井苑子・池田拓・伊藤直樹・岩渕慶造・桜井一 | ||
ページ | 202ページ | ||
定価 | 200円 |
今号の特集は「ニューヨーカー誌傑作選」。傑作どころかつまらない話のオンパレード。今後とも「ニューヨーカー短編集」だけは手に取るまい、という決断がついたことが唯一の収穫でした。
そんな思いを払拭してくれたのは、巻末のガードナー。「特別長編一挙掲載」と謳っていますが、まあ中編止まりの長さでミステリとしても大したものではありませんが、ストーリー展開の旨さと登場人物像の魅力で読ませてくれます。
2ヶ月後の「みすてり鬼検事(読者が選ぶ今月のベスト5)」の結果は以下のとおり。
1.宝石の蝶 3.60
2.ゴルフのある人生 2.53
3.苦い毒草 1.43
4.ジレンスキー女史とフィンランド国王 1.10
5.ナイフのK 1.03
5.賭屋商売 1.03
次点 雪のなかの愛 0.86