HMM 1968/8 No.148

作品のレベル差が目立つ一巻。巻末のケメルマンで満足しました。

題名 作者 評点 コメント
悪魔の契約 ロード・ダンセイニ 6.5 悪魔と契約して勝馬を見抜く力を得た男。皮肉な展開が面白い。
テスト アンジェリカ・ギブズ 6.0 オチが今ひとつ決まらない。
牝猫ミナ ジャック・ヨネ 3.0 気分が悪くなる話だ。
ダーク・ボーイ オーガスト・ダーレス 7.0 救いのある幽霊話で悪くない。
水際 ロバート・ブロック 7.5 ムショで死んだ男の隠し金を狙って男は女に近づくが..。さすがブロック、最後まで読ませる。
祖父と姿なき怪盗 ロイド・ビッグル・ジュニア 4.0 学園の盗難事件なのだが、人物のかき分けがまずく筋がつかめない。
月夜 ビッドパイ 2.0 なにこれ。中学生でももっとマシな話を書くぞ。
義眼 ジョン・K・クロス 5.0 面白い筋書きがあるのだが、少しくどい。
ポーリン? それともデニス? ヴィンセント・マコーナー 6.0 取り分を増やすため、二人の姉どちらかを殺そうとする男。結末が予想通りなのが残念。
海への悲しい道 ジェラルド・カーシュ 2.0 金策付きた男が殺人を犯し自滅するだけのつまらない話。
梯子の男 ハリイ・ケメルマン 7.5 ニッキイ・ウェルト登場。多分再読だが、楽しく読める本格物。
名探偵バーンズ警視 A・E・コステロ
恐怖の構造 矢野浩三郎
警察小説とその周辺 補遺 小鷹信光 手の内を明かしながら落穂拾いをしてみると
男性雑誌による現代アメリカのフォークロア 片岡義男 女性美とアメリカの理想主義
みすてり鳥瞰図 福田淳
地獄の仏 石川喬司
ミステリ診察室 M.W.A エドガー賞発表
ノンフィクションガイド 青木雨彦 独断的幻影論
ミステリ鬼検事
海外ミステリ消息 シムズ、ハミルトン、キーティング他
響きと怒り
ミステリ一駒漫画 倒錯 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
イラスト 真鍋博・勝呂忠・金森達・新井苑子・伊藤直樹・岩渕慶造・桜井一・楢喜八
ページ 202ページ
定価 200円

今号の特集は「幻想と怪奇」。出来は悪くありませんが、それらしいムードの作品に乏しいのが残念。それでもダンセイニ、ダーレス、ブロックの作品はさすがに読ませます。最後にハリイ・ケメルマンの本格中編「梯子の男」とくれば、何の文句もありませんね。

2ヶ月後の「みすてり鬼検事(読者が選ぶ今月のベスト5)」の結果は以下のとおり。

1.梯子の男                    3.23  
2.ダーク・ボーイ               2.00  
3.義眼                       1.90  
4.ポーリン? それともデニス?    1.80  
5.悪魔の契約                  1.53  
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