HMM 1968/10 No.150

ブラック・ユーモアとは、わけのわからんつまらない話を読まされることだったのか。

題名 作者 評点 コメント
黒猫のためのブルース ボリス・ヴィアン 2.0 なんだこれ。これがブラック・ユーモアだったら、読む気にもなれないな。
老人と孫 星新一 4.0 古臭い文明批判か。
テキサス氏 ジョゼフ・ヘラー 2.0 わけがわからん。
あたしの名前を呼ばないで ジェームズ・パーディ 2.0 これもひどい。こんな繰り返しパターンは子供でも使わないぞ。
二十三貫五百八十匁の死 三条美穂 5.0 オチが今ひとつ。
スイスにて ローラン・トポール 7.0 なるほど。ブラックな話だが妙におかしい。
親友 ローラン・トポール 4.0 ラストがわからない。
いらぬお説教 チャーリーン・M・ウェア 5.0 教会に行ったことのない人間にサゲはわからないな。
吸血鬼の歯 ローラン・トポール 4.0 ラストがわからない。
過去への電話 福島正実 2.0 長くくどくおもしろくない。
壁抜けスパイ エドワード・D・ホック 6.5 大した出来ではないが、ちゃんとしたミステリを読めるとホッとする。
五番街の奇蹟 オルガ・マルクス 2.0 つまらない。
最後の演奏会 リンダ・ヴィルスヴィック 3.0 人物のかき分けが下手で焦点が絞れない。
ダイヤのジャック 後篇 アントニー・バウチャー
ブラック・ユーモアとは何か? 伊東守男
ブラック・ユーモア覚書 榊原晃三
ブラックユーモリスト P・クライスナーと「リアリスト」誌 小鷹信光
シック・ジョーク・コーナー
男性雑誌による現代アメリカのフォークロア 片岡義男 その3 アメリカ男性の「女性化」をとりまく状況と「男らしさ」
みすてり鳥瞰図 福田淳
地獄の仏 石川喬司
ミステリ診察室
ノンフィクションガイド 青木雨彦 嘘だと言ってよ、ジョウ!
ミステリ鬼検事 「失踪した少年」マイクル・コリンズ
海外ミステリ消息 ロバート・ケネディ関係書ほか
響きと怒り
ミステリ一駒漫画 豚『チクショウ、観念をかえてやる』 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
イラスト 真鍋博・勝呂忠・金森達・新井苑子・杉村篤・池田拓・伊藤直樹・岩渕慶造・桜井一・楢喜八
ページ 202ページ
定価 200円

今号の特集は「ブラック・ユーモア」。ローラン・トポールの「スイスにて」以外はひどい出来。これほどつまらない作品揃いだったのは初めてではないでしょうか。特集については、これ以上コメントする気になりません。

さて、前号からの長編分載 アントニー・バウチャー「ダイヤのジャック」ですが、これは作者の第2作め「The Case of the Crumpled Knave(1939)」のアブリッジ版のようです。最後の展開など良くできているので、「原書で完全版を読むべきだった」と後悔しています。

2ヶ月後の「みすてり鬼検事(読者が選ぶ今月のベスト5)」の結果は以下のとおり。

1.ダイヤのジャック 後篇     2.77  
2.スイスにて              1.93  
3.老人と孫                1.70  
4.最後の演奏会             1.46  
5.黒猫のためのブルース      1.40  
次点 過去への電話          1.13