HMM 1968/12 No.152

ぱっとしない作品揃いでうんざり。

題名 作者 評点 コメント
パリのセイント レスリー・チャータリス 5.0 騙された父の設計図を盗み出すという娘にあったセイント。ありきたりの結末。
盲目の魔術師 フレデリック・アーヴィング・アンダースン 4.0 ラストがよくわからない。
不眠症クラブ ジョン・ラッツ 5.5 不眠症に悩む男女がお互いの家に押し入り保険金詐欺を図る。巻き込まれた男の末路は予想通り。
ファイル#2 ページ通りを見張れ ジョー・ゴアズ 5.0 短い中に目まぐるしく展開するので、ついていくのに一苦労。人物像に魅力がないこともあって、好きなシリーズではない。
風を見たのは誰? クリスティン・N・ガヴァン 3.0 つまらない。
盗まれた名画 エドガー・ウォーレス 6.5 トリックはたわいないが、読ませる。さすがはベストセラー作家である。
犯罪学者クラブ E・W・ホーナング 4.0 ラッフルズ物。ゴタゴタしていてまとまりがない。長い間訳されなかったわけだ。
華麗なる踊り子たち ケリイ・ルース 5.0 かつてのショー仲間が集まった邸宅での連続殺人。緊張感がない展開でいささか退屈。
クラレンス・ダロウは弁護する(1) アーヴィング・ストーン
ファントマスとルパン 伊東守男
詐欺の手口教えます 三条美浦
スクリーンの泥棒たち 大伴昌司
新・進化した猿たち 星新一 世の終り
男性雑誌による現代アメリカのフォークロア 片岡義男 その5 スタッグ・マガジンの中のアメリカとアメリカ男性たち
みすてり鳥瞰図 福田淳
地獄の仏 石川喬司
紐育の日本人 平尾圭吾 ローズマリーのニューヨーク
ミステリ診察室 「一瞬の敵」 ロス・マクドナルド
ノンフィクションガイド 青木雨彦 「長」とは、孤独なものである
ミステリ鬼検事
海外ミステリ消息 クリーシイ、チャータリス、ウォードなど
響きと怒り
ミステリ一駒漫画 医者『しかし、おしいですなあ』 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
イラスト 真鍋博・勝呂忠・金森達・新井苑子・池田拓・伊藤直樹・岩渕慶造・桜井一・楢喜八
ページ 202ページ
定価 230円

今月の特集は「怪盗登場」。セイント、ラッフルズ、ゴダールといったところですが、あまり盛り上がりませんでした。それ以外の作品も平均に届かない出来のものが多く、全くぱっとしないありさま。
2ヶ月後の「みすてり鬼検事(読者が選ぶ今月のベスト5)」では、巻末の中編「華麗なる踊り子たち」が異様に高い点数なのですが、これには編集部が「ほかの作品がつまらないため得点が集中してしまったのかなと、反省したくなるような得票ぶりでした。」と言い出す始末。「推して知るべし」といったところでしょう。

1.華麗なる踊り子たち        4.14  
2.パリのセイント           2.30  
3.不眠症クラブ             1.96  
4.盲目の魔術師             1.40  
5.盗まれた名画             1.36  
次点 ページ通りを見張れ     1.10